応用情報技術者試験 2010年 春期 午前227


音声などのアナログデータをディジタル化するために用いられる PCMで、音の信号を一定の周期でアナログ値のまま切り出す処理はどれか。
暗号化
標本化(正解)
符号化
量子化

解説

音声のアナログ信号を一定周期で切り出す処理とは【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:音声のアナログ信号を一定の周期で切り出す処理は「標本化」である。
  • 根拠:標本化はアナログ信号を一定時間間隔でサンプリングし、離散的な値として取り出す工程である。
  • 差がつくポイント:標本化は「時間軸での切り出し」、量子化は「振幅の値を離散化」、符号化は「デジタルデータの符号変換」と明確に区別することが重要。

正解の理由

イ: 標本化は、アナログ信号を一定の時間間隔(周期)で切り出し、離散的なサンプル値を得る処理です。PCM(パルス符号変調)ではこの標本化が最初のステップであり、音声信号をデジタル化するための基礎となります。
他の選択肢は異なる処理を指し、暗号化はデータの安全性確保、量子化は標本化後の振幅値の離散化、符号化はデジタルデータの符号変換を意味します。

よくある誤解

標本化と量子化を混同しやすいですが、標本化は時間軸での切り出し、量子化は振幅の値を離散化する処理です。
また、符号化はデジタル信号の符号変換であり、アナログ信号の切り出しとは異なります。

解法ステップ

  1. 問題文の「一定の周期でアナログ値のまま切り出す」とある部分に注目する。
  2. PCMの処理手順を思い出す(標本化→量子化→符号化)。
  3. 「一定周期で切り出す=標本化」であることを確認する。
  4. 選択肢の意味を整理し、標本化が該当することを判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 暗号化
    データの安全性を高める処理であり、信号の切り出しとは無関係です。
  • イ: 標本化
    正解。アナログ信号を一定周期で切り出す処理です。
  • ウ: 符号化
    デジタル信号を効率的に表現するための符号変換で、切り出し処理ではありません。
  • エ: 量子化
    標本化後の振幅値を離散的な値に変換する処理で、時間軸での切り出しではありません。

補足コラム

PCM(パルス符号変調)は音声などのアナログ信号をデジタル化する代表的な方式です。
標本化定理(ナイキストの定理)によれば、信号の最高周波数の2倍以上の周波数で標本化しないと元の信号を正確に復元できません。
このため、標本化周波数の設定は音質に大きく影響します。

FAQ

Q: 標本化と量子化の違いは何ですか?
A: 標本化は時間軸で信号を一定間隔で切り出す処理、量子化はその切り出した値の振幅を離散的な値に変換する処理です。
Q: PCMで最初に行う処理は何ですか?
A: 最初に行うのは標本化で、アナログ信号を一定周期でサンプリングします。

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