データベーススペシャリスト試験 2009年 午前208


和両立である関係RとSがある。R∩Sと等しいものはどれか。ここで、-は差演算、∩は共通集合演算を表す。
R(RS)R-(R-S)(正解)
R(SR)R-(S-R)
(RS)(SR)(R-S)-(S-R)
S(RS)S-(R-S)

解説

和両立である関係RとSがある。R∩Sと等しいものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:和両立な関係RとSに対して、RSR \cap SR(RS)R - (R - S)と等しいです。
  • 根拠:RSR - SはRにあってSにない要素の集合であり、これをRから除くとRとSの共通部分が残ります。
  • 差がつくポイント:集合演算の差と共通部分の関係を正確に理解し、和両立の意味を踏まえて式変形できるかが重要です。

正解の理由

選択肢アのR(RS)R - (R - S)は、Rの中から「RにあってSにない要素」を除いた集合です。つまり、Rに含まれ、かつSにも含まれる要素、すなわちRSR \cap Sと同じ集合を表します。和両立とはRとSの差集合が空であることを意味し、RSR - SSRS - Rが共に空集合であるため、RSR \cap SRRSSの要素そのものとなります。したがって、R(RS)R - (R - S)RSR \cap Sと等しいです。

よくある誤解

差演算の順序を誤解し、RSR - SSRS - Rを混同することがあります。また、和両立の意味を「共通部分が空」と誤解しがちですが、正しくは「差集合が空」です。

解法ステップ

  1. 和両立の定義を確認する:RS=R - S = \emptysetかつSR=S - R = \emptyset
  2. RSR \cap Sの定義を確認する:RRかつSSに含まれる要素の集合
  3. R(RS)R - (R - S)の意味を考える:RRからRRにあってSSにない要素を除く
  4. 和両立の条件よりRS=R - S = \emptysetなので、R(RS)=R=RR - (R - S) = R - \emptyset = R
  5. R=SR = Sとなるため、RS=R=R(RS)R \cap S = R = R - (R - S)となることを確認する

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。R(RS)R - (R - S)RSR \cap Sと等しい。
  • イ: R(SR)R - (S - R)RRからSSにあってRRにない要素を除くが、SRS - RRRにないSSの要素なのでRRには含まれず、結果はRRのまま変わらない。RSR \cap Sとは異なる。
  • ウ: (RS)(SR)(R - S) - (S - R)RRにあってSSにない要素から、SSにあってRRにない要素を除くが、和両立ならRSR - SSRS - Rも空集合で結果は空集合となり、RSR \cap Sとは異なる。
  • エ: S(RS)S - (R - S)SSからRRにあってSSにない要素を除くが、RSR - SSSにない要素なのでSSから除く必要がなく、SSのまま。RSR \cap Sとは異なる。

補足コラム

和両立(和両立性)は関係データベースや集合論で重要な概念で、2つの関係が互いに重複しないことを意味します。つまり、RS=R - S = \emptysetかつSR=S - R = \emptysetであり、結果的にR=SR = Sとなります。これを理解すると、集合演算の式変形がスムーズになります。

FAQ

Q: 和両立とは何ですか?
A: 和両立とは、2つの関係や集合が互いに重複しないこと、つまり差集合が空集合である状態を指します。
Q: なぜR(RS)R - (R - S)RSR \cap Sと等しいのですか?
A: RSR - SはRにあってSにない要素の集合なので、それをRから除くとRとSの共通部分だけが残るためです。

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