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データベーススペシャリスト試験 2009年 午前2 問12
分散データベースシステムにおける問合せでは, サイト間にまたがる結合演算の最適化が重要である。この最適化の方法として, 適切なものはどれか。
ア:LRU法
イ:セミジョイン法(正解)
ウ:ソートマージ法
エ:楽観的方法
解説
分散データベースシステムにおける問合せの結合演算最適化【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:分散データベースの結合演算最適化には、セミジョイン法が適切です。
- 根拠:セミジョイン法は不要なデータ転送を減らし、ネットワーク負荷を軽減するため効率的です。
- 差がつくポイント:単純な結合方法では大量のデータ移動が発生しやすく、セミジョイン法の理解が合否を分けます。
正解の理由
分散データベースでは、複数のサイトに分散されたデータを結合する際、ネットワークを介したデータ転送がボトルネックになります。セミジョイン法は、結合に必要なキー情報だけを先に送信し、相手サイトで該当するデータのみを抽出して送るため、転送データ量を大幅に削減できます。これにより、結合演算の効率化と応答時間の短縮が可能となるため、最適化手法として適切です。
よくある誤解
セミジョイン法は単なる結合方法の一つではなく、ネットワーク負荷を減らすためのデータ転送最適化手法です。LRU法や楽観的方法はキャッシュ管理やトランザクション制御の技術であり、結合演算の最適化とは異なります。
解法ステップ
- 問題文から「分散データベース」「結合演算の最適化」を確認する。
- 選択肢の用語が何を指すかを整理する。
- セミジョイン法が分散環境でのデータ転送削減に有効なことを理解する。
- 他の選択肢が結合演算の最適化に直接関係しないことを確認する。
- イを正解として選択する。
選択肢別の誤答解説
- ア: LRU法
キャッシュの置換アルゴリズムであり、結合演算の最適化とは無関係です。 - イ: セミジョイン法
分散データベースでの結合演算におけるデータ転送量削減に有効な手法で正解です。 - ウ: ソートマージ法
結合演算のアルゴリズムの一つですが、分散環境でのネットワーク最適化には直接寄与しません。 - エ: 楽観的方法
トランザクション制御の一種であり、結合演算の最適化とは関係ありません。
補足コラム
セミジョイン法は1970年代に提案された分散データベースの代表的な最適化技術です。結合に必要なキーだけを先に送ることで、ネットワーク帯域の節約と応答時間の短縮を実現します。分散データベースの性能向上には、こうした通信コストの削減が不可欠です。
FAQ
Q: セミジョイン法はどのような場面で特に効果的ですか?
A: 大量のデータが複数サイトに分散されている場合に、不要なデータ転送を減らすことで効果を発揮します。
A: 大量のデータが複数サイトに分散されている場合に、不要なデータ転送を減らすことで効果を発揮します。
Q: ソートマージ法とセミジョイン法の違いは何ですか?
A: ソートマージ法は結合演算のアルゴリズムで、セミジョイン法は分散環境でのデータ転送を最適化する手法です。
A: ソートマージ法は結合演算のアルゴリズムで、セミジョイン法は分散環境でのデータ転送を最適化する手法です。
関連キーワード: 分散データベース, セミジョイン法, 結合演算最適化, ネットワーク負荷削減, データ転送最適化