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データベーススペシャリスト試験 2009年 午前2 問18
スーパコンピュータの特徴として、適切なものはどれか。
ア:処理装置内の演算器で一度に扱えるビット数を非常に大きくして, 文字列処理の性能向上を図っている。
イ:大容量の磁気ディスク装置及び仮想記憶技術を用いることによって, 非常に大きなメモリ空間を実現し、性能向上を図っている。
ウ:特定の応用分野に特化したハードウェア回路を個別に用意し、目的に応じて組み合わせることによって、性能向上を図っている。
エ:ベクトル命令を備えたプロセッサを数個十数個, 又はマイクロプロセッサを数百数千個結合することによって, 性能向上を図っている。(正解)
解説
スーパコンピュータの特徴として適切なものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:スーパコンピュータは多数のベクトルプロセッサやマイクロプロセッサを結合し、高度な並列処理で性能を向上させています。
- 根拠:ベクトル命令を持つプロセッサを複数連結し、大規模な並列計算を実現する構成がスパコンの基本です。
- 差がつくポイント:単に大容量メモリや特定用途のハードウェアではなく、並列処理のための多数プロセッサ結合がスパコンの本質です。
正解の理由
選択肢エは「ベクトル命令を備えたプロセッサを数個~十数個、またはマイクロプロセッサを数百~数千個結合することによって性能向上を図っている」と述べています。これはスーパコンピュータの代表的な特徴であり、ベクトル演算や大規模並列処理を活用して膨大な計算を高速に処理する仕組みを正確に表しています。
よくある誤解
スパコンは単に大容量メモリや高速な文字列処理を行う装置ではありません。特定用途の専用回路を組み合わせるのもスーパーコンピュータの特徴ではなく、汎用的な並列処理能力が重要です。
解法ステップ
- スーパコンピュータの定義を確認する(大規模並列処理が特徴)
- 各選択肢の内容をスパコンの特徴と照合する
- 「ベクトル命令を持つ複数プロセッサの結合」がスパコンの基本構成であることを理解する
- 他の選択肢がスパコンの特徴と合致しない点を見極める
- 正解の選択肢エを選ぶ
選択肢別の誤答解説
- ア:処理装置内の演算器のビット数を大きくすることは汎用CPUの特徴であり、スパコンの本質ではありません。文字列処理性能向上もスパコンの主目的ではありません。
- イ:大容量磁気ディスクや仮想記憶は一般的なコンピュータの技術であり、スパコンの性能向上の主因ではありません。
- ウ:特定応用に特化したハードウェア回路の組み合わせは専用機の特徴であり、スパコンは汎用的な並列処理を重視します。
- エ:ベクトル命令を備えた複数のプロセッサや多数のマイクロプロセッサを結合し、並列処理で性能向上を図る点がスパコンの本質です。
補足コラム
スーパコンピュータは科学技術計算や気象予測、分子シミュレーションなど膨大な計算量を必要とする分野で活躍します。近年はGPUや専用アクセラレータを用いた並列処理も増えていますが、基本的には多数の演算ユニットを結合し高速処理を実現する点が共通しています。
FAQ
Q: スパコンはなぜ多数のプロセッサを結合するのですか?
A: 膨大な計算を高速に処理するために、並列に計算を分散し処理速度を飛躍的に向上させるためです。
A: 膨大な計算を高速に処理するために、並列に計算を分散し処理速度を飛躍的に向上させるためです。
Q: ベクトル命令とは何ですか?
A: 複数のデータを一括して同時に処理する命令で、科学技術計算など大量データの高速処理に適しています。
A: 複数のデータを一括して同時に処理する命令で、科学技術計算など大量データの高速処理に適しています。
Q: 大容量メモリはスパコンの特徴ではないのですか?
A: 大容量メモリは重要ですが、スパコンの性能向上の本質は多数のプロセッサによる並列処理にあります。
A: 大容量メモリは重要ですが、スパコンの性能向上の本質は多数のプロセッサによる並列処理にあります。
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