データベーススペシャリスト試験 2010年 午前201


図のような関係 R (A, B) において, 属性 A の定義域の要素は {a1, a2, a3}, 属性 B の定義域の要素は {b1, b2} である。a1 と b1 を結ぶ線は, (a1, b1) のように, 関係 R の要素を表している。この関係 R の要素を表す語として, 適切なものはどれか。
問題画像
(正解)
属性
ドメイン

解説

関係 R の要素を表す語の選択【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:関係 R の要素は「組」と呼ばれ、(a1, b1) のような順序付きのペアで表されます。
  • 根拠:関係は属性の値の組み合わせで構成され、各要素は属性値の組(タプル)として定義されるためです。
  • 差がつくポイント:属性やドメインは関係の構成要素や定義域を指し、関係の「要素」そのものを指す語ではありません。

正解の理由

関係 R の要素は、属性 A と属性 B の値の組み合わせであり、数学的には「順序対」または「組」と呼ばれます。図中の (a1, b1) は属性 A の値 a1 と属性 B の値 b1 の組み合わせを示しており、これが関係 R の一つの要素です。したがって、正しい語は「組」です。

よくある誤解

「属性」や「ドメイン」は関係の構成要素や値の範囲を指すため、関係の「要素」を表す語としては不適切です。
「列」はデータベースの表の構造を指し、関係の要素を示す言葉ではありません。

解法ステップ

  1. 問題文の図から、関係 R は属性 A と属性 B の値の組み合わせで構成されていることを確認する。
  2. 属性 A の定義域 {a1, a2, a3} と属性 B の定義域 {b1, b2} の値がペアで結ばれていることを理解する。
  3. 関係の要素はこれらの属性値の組み合わせ、すなわち「組」であると判断する。
  4. 選択肢の意味を整理し、「組」が関係の要素を表す正しい語であることを確定する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: — 正解。関係の要素は属性値の組み合わせであるため「組」と呼ぶ。
  • イ: 属性 — 関係の列に相当し、値の種類を示すが要素そのものではない。
  • ウ: ドメイン — 属性の取りうる値の集合(定義域)を指し、要素ではない。
  • エ: 列 — データベースの表の構造を指し、関係の要素を表す語ではない。

補足コラム

関係データベース理論では、関係は属性の集合とそれらの属性値の組み合わせ(組またはタプル)から構成されます。各組は一意の行を表し、属性は列に対応します。ドメインは属性が取りうる値の範囲を示します。これらの用語の区別はデータベース設計やSQL理解に不可欠です。

FAQ

Q: 関係の「組」と「タプル」は同じ意味ですか?
A: はい。どちらも属性値の順序付きの組み合わせを指し、ほぼ同義語として使われます。
Q: 属性とドメインの違いは何ですか?
A: 属性は関係の列名や項目名を指し、ドメインはその属性が取りうる値の集合(定義域)を意味します。

関連キーワード: 関係データベース, 組, 属性, ドメイン, タプル, 関係モデル
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