データベーススペシャリスト試験 2010年 午前208


第2正規形である関係R が, 第3正規形でもあるための条件として, 適切なものはどれか。ここで, A→Bは属性Bが属性Aに関数従属していることを意味する。
いかなる部分従属性も成立しない。
推移従属性が存在しない。(正解)
属性の定義域が原子定義域である。
任意の関数従属性A→Bに関して, A はその関係の候補キーである。

解説

第2正規形である関係Rが第3正規形でもあるための条件【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:第3正規形は「推移従属性が存在しない」ことが条件です。
  • 根拠:第2正規形は部分従属性を排除しますが、第3正規形は推移従属性も排除し、より整合性の高い設計を目指します。
  • 差がつくポイント:推移従属性の理解と候補キーの役割を正確に把握しているかが合否を分けます。

正解の理由

第2正規形は「部分従属性の排除」が条件ですが、第3正規形はさらに「推移従属性が存在しない」ことを求めます。推移従属性とは、A→BかつB→Cが成り立つ場合に、A→Cが推移的に成立する関係です。第3正規形ではこの推移従属性を排除し、非キー属性が他の非キー属性に依存しないようにします。したがって、選択肢イの「推移従属性が存在しない」が正解です。

よくある誤解

第3正規形は「部分従属性がない」ことだと誤解されがちですが、それは第2正規形の条件です。第3正規形はさらに推移従属性の排除が必要です。

解法ステップ

  1. 第2正規形の定義を確認し、部分従属性がないことを理解する。
  2. 第3正規形の定義を確認し、推移従属性の排除が条件であることを把握する。
  3. 選択肢の意味を整理し、推移従属性に関する記述を探す。
  4. 推移従属性が存在しないことを示す選択肢を正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「いかなる部分従属性も成立しない」は第2正規形の条件であり、第3正規形の条件ではありません。
  • イ: 「推移従属性が存在しない」は第3正規形の定義に合致し正解です。
  • ウ: 「属性の定義域が原子定義域である」は第1正規形の条件であり、第3正規形とは無関係です。
  • エ: 「任意の関数従属性A→Bに関して、Aは候補キーである」はボイス・コッド正規形(BCNF)の条件であり、第3正規形よりも厳しい条件です。

補足コラム

正規化はデータベース設計の基本であり、各正規形は段階的に冗長性や異常を排除します。第1正規形は原子性、第2正規形は部分従属性の排除、第3正規形は推移従属性の排除を目的としています。BCNFはさらに厳格で、すべての関数従属性の左側が候補キーであることを要求します。

FAQ

Q: 第2正規形と第3正規形の違いは何ですか?
A: 第2正規形は部分従属性を排除し、第3正規形は推移従属性も排除する点で異なります。
Q: 推移従属性とは何ですか?
A: 属性A→BかつB→Cが成り立つ場合に、A→Cが推移的に成立する関係を指します。

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