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データベーススペシャリスト試験 2011年 午前202


データベースの関係モデルの候補キーの説明として, 最も適切なものはどれか。ここで, 極小の組とは, その組から属性が一つでも欠落すると唯一識別性を失ってしまう組をいう。
関係のタプルを一意に識別できる属性, 又は属性の組
関係のタプルを一意に識別できる属性, 又は属性の組で極小のもの(正解)
関係のタプルを一意に識別できる属性, 又は属性の組で極小のものから選んだ一つ
関係のタプルを一意に識別できる属性, 又は属性の組で極小のものから一つ選んだものの残り

解説

候補キーの説明とその選択肢についての解説

1. 候補キーとは何か?

データベースの関係モデルにおいて、「候補キー」は非常に重要な概念です。
  • 候補キー
    関係(テーブル)の中の各タプル(行)を一意に識別できる属性または属性の組合せのことを指します。
    さらに、候補キーには「極小性」という条件があります。
  • 極小性とは?
    候補キーが持つ属性のうち、どれか1つでも属性を取り除くと、一意に識別できなくなる状態のこと。
    つまり、「必要最低限の属性の集合」であるということです。
例えば、あるテーブルで「(社員ID, 氏名)」が一意に識別できても、「社員ID」だけで既に一意に識別できる場合、「(社員ID, 氏名)」は極小ではないので候補キーとはなりません。

2. 選択肢の比較

選択肢内容の要約問題点・特徴
一意に識別できる属性または属性の組極小性の条件が含まれていないので不十分。過剰な属性の組も含まれてしまう。
一意に識別できて、かつ極小の属性または属性の組極小性を含むので正確な定義。これが候補キーの正しい説明。
一意に識別できて、極小の組から「一つ選んだ」もの「一つ選ぶ」とは「主キー」の説明に近い。候補キーは複数存在することがある。
一つの候補キーから属性を取り除いた「残り」これは正しくない解釈。候補キーは極小集合なので、1つでも取り除くと一意識別性を失う。

3. なぜ「イ」が正解か?

問題文で「極小の組」の定義が示されているため、以下のことが重要です。
  • 一意識別性:その属性集合でテーブルの行を唯一識別できる。
  • 極小性:余分な属性が含まれていない。
選択肢イは、この2つの条件をともに満たしているため、候補キーの本質を正しく表現しています。

4. まとめ

  • 候補キーは「一意性」と「極小性」をともに満たす属性の集合です。
  • 一意性のみでは「超キー」と呼ばれ、極小性を満たさないことがあります。
  • 主キーは複数ある候補キーの中から選ばれる1つのキーを指します。

以上の理由から、選択肢イが最も適切な説明であり、正解となります。
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