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データベーススペシャリスト試験 2011年 午前214


トランザクションの ACID 特性のうち, 一貫性 (consistency)の説明はどれか。
整合性の取れたデータベースに対して, トランザクション実行後も整合性が取れている性質である。(正解)
同時実行される複数のトランザクションは互いに干渉しないという性質である。
トランザクションは、完全に実行が完了するか、全く実行されなかったかの状態しかとらない性質である。
ひとたびコミットすれば, その後どのような障害が起こっても状態の変更が保たれるという性質である。

解説

トランザクションのACID特性における「一貫性(Consistency)」の解説

トランザクションのACID特性は、データベースシステムにおけるトランザクションの信頼性を保証するための4つの基本原則です。
ACIDとは以下の頭文字を取ったものです。
  • A: Atomicity(原子性)
  • C: Consistency(一貫性)
  • I: Isolation(独立性)
  • D: Durability(永続性)
この中で「一貫性(Consistency)」について説明します。

一貫性(Consistency)とは?

一貫性とは、トランザクションの実行前後でデータベースの整合性制約(ルール)が常に満たされている状態を指します。
具体的には、トランザクションが開始される前のデータベースは整合性の取れた状態であると仮定します。
トランザクションが完了した後も、その整合性が崩れていない(壊れていない)という性質が「一貫性」です。

なぜ一貫性が重要か?

データベースでは多くの整合性制約が設定されています。
例えば:
  • 外部キー制約
  • ユニーク制約
  • チェック制約
    など
これらはデータの正確性や意味的な整合性を保つためのルールです。
トランザクションによってこれらの制約が破られると、データベースは不正確なデータを含む状態になり、システムの信頼性が損なわれます。

選択肢の解説

  • ア: ◯ 正解
    「整合性の取れたデータベースに対して, トランザクション実行後も整合性が取れている性質である。」
    → まさに一貫性の定義そのものです。
  • イ: ×
    「同時実行される複数のトランザクションは互いに干渉しないという性質」
    → これは**独立性(Isolation)**の説明です。
  • ウ: ×
    「トランザクションは完全に実行されるか全く実行されなかったかの状態しかとらない性質」
    → これは**原子性(Atomicity)**の説明です。
  • エ: ×
    「ひとたびコミットすれば障害があっても状態の変更が保たれる」
    → これは**永続性(Durability)**の説明です。

まとめ

  • 一貫性(Consistency)はトランザクション実行前後でデータベースの整合性ルールが守られていること。
  • トランザクションは整合性を壊さずに、整合性の取れた状態を維持する必要がある。
  • 他のACID特性と混同しないように注意すること。

以上より、問題文の正解は選択肢 「ア」 であることが理解できます。
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