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データベーススペシャリスト試験 2011年 午前2 問18
OLAP(OnLine Analytical Processing) の操作に関する説明のうち、適切なものはどれか。
ア:集計単位をより大きくする操作をロールアップという。(正解)
イ:集計単位をより小さくする操作をスライスアンドダイスという。
ウ:分析軸を入れ替えずにデータの切り口を変えることをダイシングという。
エ:分析軸を入れ替えてデータの切り口を変えることをスライシングという。
解説
OLAP (OnLine Analytical Processing) の操作解説
OLAPは、多次元のデータを高速に分析・集計するための技術で、データウェアハウスを用いて複雑なクエリを効率よく処理します。OLAPの主要な操作には、ロールアップ(Roll-up)、ドリルダウン(Drill-down)、スライス(Slice)、**ダイス(Dice)**などがあります。
選択肢の解説
ア: 集計単位をより大きくする操作をロールアップという。
正しいです。
- ロールアップは、データの詳細なレベルから抽象的・概要的なレベルへ段階的に集約していく操作です。
- たとえば、「日別売上」から「月別売上」あるいは「地域別売上」から「全国別売上」に集約することがこれにあたります。
- 集計単位(粒度)が大きくなり、より大まかな視点で分析を行うことになります。
イ: 集計単位をより小さくする操作をスライスアンドダイスという。
誤りです。
- 集計単位を細かくする操作は、「ドリルダウン(Drill-down)」と呼ばれます。
- **スライス(Slice)とダイス(Dice)**はデータの切り出し方を指しますが、必ずしも集計単位の変更を意味しません。
- 「スライス」は1つの次元を特定の値で固定して切り出す操作、
- 「ダイス」は複数の次元で条件を指定して切り出す操作です。
ウ: 分析軸を入れ替えずにデータの切り口を変えることをダイシングという。
誤りです。
- **ダイス(Dice)**は複数の次元にわたって部分的にデータを抽出する操作ですが、分析軸の入れ替えとは関係ありません。
- 分析軸の入れ替えは「ピボット(Pivot)」や「ドリルアクロス(Drill-across)」と呼ばれることがあります。
- つまり、ダイシングは次元の選択や範囲指定を伴う「データの切り出し」に近い操作です。
エ: 分析軸を入れ替えてデータの切り口を変えることをスライシングという。
誤りです。
- **スライス(Slice)**は1つの次元を指定してデータの一部分を抽出する操作であり、分析軸の入れ替えは含みません。
- 分析軸の入れ替え(切り口の変更)は「ピボット(Pivot)」操作で、軸の行・列を入れ替えて視点を変えます。
- スライスはあくまで次元の固定による「切り出し」です。
まとめ
正解
- 正解は「ア」です。
- ロールアップは、集計単位をより大きくする操作を指します。
以上の解説を通じて、OLAPの基本的な操作の意味と区別が明確になったと思います。分析の目的に応じてこれらの操作を使い分けることが重要です。