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データベーススペシャリスト試験 2011年 午前2 問20
分散データベースにおける “複製に対する透過性” の説明として、 適切なものはどれか。
ア:それぞれのサーバの DBMS が異種であっても, プログラムは DBMS の相違を意識する必要がない。
イ:一つの表が複数のサーバに分割されて配置されていても, プログラムは分割された配置を意識する必要がない。
ウ:表が別のサーバに移動されても, プログラムは表が配置されたサーバを意識する必要がない。
エ:複数のサーバに一つの表が重複して存在しても, プログラムは表の重複を意識する必要がない。(正解)
解説
分散データベースにおける “複製に対する透過性” の説明【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:複製に対する透過性とは、複数のサーバに同じ表が複製されていても、プログラムがその重複を意識しなくてよい性質です。
- 根拠:分散データベースの複製透過性は、データの複製を隠蔽し、利用者やアプリケーションが複製の存在を意識せずに操作できることを指します。
- 差がつくポイント:複製透過性は「複製の存在を隠す」ことに特化しており、分割や異種DBMSの透過性とは区別されるため、選択肢の意味を正確に理解することが重要です。
正解の理由
複製に対する透過性は、同じデータが複数のサーバに複製されていても、プログラムが複製の存在や場所を意識せずにデータ操作ができることを意味します。
選択肢エは「複数のサーバに一つの表が重複して存在しても、プログラムは表の重複を意識する必要がない」と述べており、複製透過性の定義に合致しています。
したがって、エが正解です。
選択肢エは「複数のサーバに一つの表が重複して存在しても、プログラムは表の重複を意識する必要がない」と述べており、複製透過性の定義に合致しています。
したがって、エが正解です。
よくある誤解
複製透過性は「分割透過性」や「異種DBMS透過性」と混同されやすいですが、複製の重複を隠すことに特化した概念です。
また、複製透過性はデータの一貫性管理とは別の問題である点も注意が必要です。
また、複製透過性はデータの一貫性管理とは別の問題である点も注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「複製に対する透過性」の意味を正確に理解する。
- 選択肢の内容を「複製」「分割」「異種DBMS」などのキーワードで分類する。
- 複製透過性は「複製の存在を隠す」ことなので、複製に関する選択肢を探す。
- 複製に関する選択肢の中で、プログラムが複製を意識しなくてよいと述べているものを選ぶ。
- エが該当するため、正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 異種DBMSの透過性は「異種DBMS透過性」と呼ばれ、複製透過性とは異なります。
- イ: 一つの表が複数サーバに分割されている場合は「分割透過性」であり、複製透過性とは別の概念です。
- ウ: 表が別のサーバに移動されても意識しなくてよいのは「配置透過性」であり、複製透過性とは異なります。
- エ: 複数のサーバに同じ表が複製されていてもプログラムが意識しなくてよい、複製透過性の正しい説明です。
補足コラム
分散データベースの透過性には主に以下の種類があります。
- 複製透過性:複製の存在を隠す。
- 分割透過性:データの分割配置を隠す。
- 配置透過性:データの物理的配置を隠す。
- 異種DBMS透過性:異なるDBMS間の違いを隠す。
これらを理解し区別することが、分散データベースの設計や運用において重要です。
FAQ
Q: 複製透過性がないとどうなるのですか?
A: プログラムが複製の存在を意識しなければならず、複製管理やデータ整合性の処理が複雑になります。
A: プログラムが複製の存在を意識しなければならず、複製管理やデータ整合性の処理が複雑になります。
Q: 複製透過性はデータの一貫性を保証しますか?
A: いいえ。複製透過性は複製の存在を隠すことに関する透過性であり、一貫性の保証は別途同期や整合性制御が必要です。
A: いいえ。複製透過性は複製の存在を隠すことに関する透過性であり、一貫性の保証は別途同期や整合性制御が必要です。
関連キーワード: 分散データベース, 複製透過性, 分割透過性, 配置透過性, 異種DBMS透過性, データベース管理システム