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データベーススペシャリスト試験 2011年 午前2 問22
SAN (Storage Area Network) で用いられるインタフェースの記述として適切なものはどれか。
ア:FC (Fibre Channel) でサーバとストレージとを接続する場合は, ループ接続にしなければならない。
イ:iSCSI を用いればIP ネットワーク上で SCSI コマンドが利用可能となり, FC を用いずにサーバとストレージとを接続できる。(正解)
ウ:NAS を用いれば, サーバから共有ストレージをブロックアクセスできる。
エ:SCSI と FCとを用いれば, 異なる OS のサーバがストレージ上のファイルを直接共有できる。
解説
SAN (Storage Area Network) で用いられるインタフェースの記述 +【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:SANでの接続にはiSCSIがIPネットワーク上でSCSIコマンドを利用可能にし、FCを使わずに接続できるため正解はイです。
- 根拠:FCは専用のファイバーチャネルネットワークを用いるが、iSCSIは既存のIPネットワークを活用しコスト削減や柔軟性を実現します。
- 差がつくポイント:NASとSANの違い、FCの接続方式、SCSIの役割を正確に理解し、各技術の特徴を区別できることが重要です。
正解の理由
イの「iSCSIを用いればIPネットワーク上でSCSIコマンドが利用可能となり、FCを用いずにサーバとストレージとを接続できる」は正しいです。iSCSIはTCP/IPネットワーク上でSCSIプロトコルをカプセル化し、SAN環境を構築できるため、専用のFCネットワークを必要としません。これにより既存のネットワーク設備を活用でき、導入コストや運用の柔軟性が向上します。
よくある誤解
FC接続は必ずループ接続でなければならないわけではなく、スイッチ接続も一般的です。NASはファイルレベルの共有ストレージであり、ブロックアクセスはSANの特徴です。
解法ステップ
- SANの基本構成と目的を理解する(高速なブロックレベルのストレージアクセス)。
- 各選択肢の技術用語(FC、iSCSI、NAS、SCSI)の役割と特徴を確認する。
- FCの接続方式(ループ接続だけでなくスイッチ接続もある)を知る。
- iSCSIがIPネットワーク上でSCSIコマンドを利用可能にする点を押さえる。
- NASはファイルレベルアクセスであり、ブロックアクセスはできないことを理解する。
- 異なるOS間でファイル共有はNASやファイルシステムの役割であり、SCSIやFC単体では実現しないことを確認する。
選択肢別の誤答解説
- ア: FCはループ接続だけでなくスイッチ接続も可能であり、必ずループ接続にしなければならないのは誤りです。
- イ: 正解。iSCSIはIPネットワーク上でSCSIコマンドを利用し、FCを使わずにSAN接続が可能です。
- ウ: NASはファイルレベルの共有ストレージであり、ブロックアクセスはできません。SANの特徴はブロックアクセスです。
- エ: SCSIとFCはストレージ接続のプロトコルや物理層ですが、異なるOS間でファイルを直接共有する機能はありません。ファイル共有は別の仕組みが必要です。
補足コラム
SANは高速なブロックレベルアクセスを提供し、主にデータベースや仮想化環境で利用されます。FCは専用の高速ネットワーク技術であり、iSCSIは既存のIPネットワークを活用するため導入コストが低いのが特徴です。一方、NASはファイルレベルの共有ストレージであり、用途やアクセス方法が異なります。
FAQ
Q: iSCSIとFCの主な違いは何ですか?
A: FCは専用のファイバーチャネルネットワークを使い高速通信を実現しますが、iSCSIはTCP/IPネットワーク上でSCSIコマンドを送るため既存のネットワークを利用可能です。
A: FCは専用のファイバーチャネルネットワークを使い高速通信を実現しますが、iSCSIはTCP/IPネットワーク上でSCSIコマンドを送るため既存のネットワークを利用可能です。
Q: NASとSANの違いは何ですか?
A: NASはファイルレベルの共有ストレージで、ネットワーク経由でファイル単位のアクセスを提供します。SANはブロックレベルのストレージアクセスを高速に提供します。
A: NASはファイルレベルの共有ストレージで、ネットワーク経由でファイル単位のアクセスを提供します。SANはブロックレベルのストレージアクセスを高速に提供します。
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