データベーススペシャリスト試験 2012年 午前201


データベースの3層スキーマアーキテクチャに関する記述として, 適切なものはどれか。
概念スキーマは, 内部スキーマと外部スキーマの間に位置し、エンティティやデータ項目相互の関係に関する情報をもつ。(正解)
外部スキーマは, 概念スキーマをコンピュータ上に具体的に実現させるための記述であり, データベースに対して, ただ一つ存在する。
サブスキーマは, 複数のデータベースを結合した内部スキーマの一部を表す。
内部スキーマは, 個々のプログラム又はユーザの立場から見たデータベースの記述である。

解説

データベースの3層スキーマアーキテクチャに関する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:概念スキーマは内部スキーマと外部スキーマの間に位置し、データの構造や関係を定義します。
  • 根拠:3層スキーマは「内部・概念・外部」の3層で構成され、それぞれ役割が明確に分かれています。
  • 差がつくポイント:各スキーマの役割と位置関係を正確に理解し、用語の混同を避けることが重要です。

正解の理由

ア: 概念スキーマは、内部スキーマ(物理的なデータ格納方法)と外部スキーマ(ユーザやアプリケーションから見たデータの見え方)の間に位置し、エンティティやデータ項目の相互関係を定義します。
この説明は3層スキーマの基本構造に合致しており、概念スキーマがデータベース全体の論理構造を表現する中心的な役割を持つことを正しく示しています。

よくある誤解

  • 外部スキーマはユーザごとに複数存在可能であり、1つだけではありません。
  • 内部スキーマは物理的なデータの格納方法を示し、ユーザ視点の記述ではありません。

解法ステップ

  1. 3層スキーマの各層(内部・概念・外部)の役割を確認する。
  2. 概念スキーマが論理的なデータ構造を定義し、内部と外部の橋渡しであることを理解する。
  3. 選択肢の説明がこの役割に合致しているかを検証する。
  4. 用語の誤用や混同がないかをチェックする。
  5. 正しい説明を含む選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • イ: 外部スキーマはユーザやアプリケーションごとに複数存在し、概念スキーマを具体的に実現するものではありません。
  • ウ: サブスキーマは外部スキーマの別名であり、複数のデータベースを結合した内部スキーマの一部ではありません。
  • エ: 内部スキーマは物理的なデータの格納方法を示し、ユーザやプログラムの立場から見た記述は外部スキーマの役割です。

補足コラム

3層スキーマアーキテクチャは、データベースの独立性を高めるために設計されました。
  • 内部スキーマは物理的独立性を実現し、ハードウェアやファイル構造の変更に影響されません。
  • 概念スキーマは論理的独立性を提供し、データ構造の変更がアプリケーションに影響しにくくなります。
  • 外部スキーマはユーザごとに異なるビューを提供し、利用者の多様な要求に対応します。

FAQ

Q: 外部スキーマは何のために複数存在するのですか?
A: ユーザやアプリケーションごとに必要なデータの見え方が異なるため、複数の外部スキーマが存在します。
Q: 内部スキーマの変更はアプリケーションに影響しますか?
A: 内部スキーマの変更は物理的なデータ格納方法の変更であり、概念スキーマや外部スキーマが変わらなければアプリケーションへの影響は最小限です。

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