データベーススペシャリスト試験 2012年 午前207


体現ビュー(Materialized view)に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
同じデータが実表と体現ビューとに重複して格納されることはない。
更新可能であるとDBMSが判断したビューのことである。
実表のようにデータベースに格納されるビューのことである。(正解)
問合せや更新要求のたびにビュー定義をSQL文に組み込んで処理する。

解説

体現ビュー(Materialized view)に関する記述【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:体現ビューは実表のようにデータベース内に物理的に格納されるビューである。
  • 根拠:通常のビューは仮想的なテーブルであり、問い合わせ時に基表から動的にデータを取得するが、体現ビューは結果を保存し高速化を図る。
  • 差がつくポイント:体現ビューの更新方法やデータの重複の有無、更新可能性の判断基準を正確に理解することが重要である。

正解の理由

選択肢ウ「実表のようにデータベースに格納されるビューのことである。」が正解です。
体現ビューは、ビューの結果を物理的に保存し、問い合わせ時に高速にアクセスできるようにしたものです。これにより、複雑な集計や結合を繰り返し実行する負荷を軽減します。実表と同様にデータベースに格納されるため、通常のビューとは異なります。

よくある誤解

体現ビューは「更新可能なビュー」と混同されやすいですが、更新可能かどうかはDBMSの判断に依存し、体現ビューの定義とは別の概念です。
また、体現ビューはデータを重複して格納するため、同じデータが重複しないという誤解もあります。

解法ステップ

  1. 「体現ビュー」の定義を確認し、物理的にデータが保存されるビューであることを理解する。
  2. 通常のビューとの違い(仮想的か物理的か)を整理する。
  3. 選択肢の内容を「物理的保存」「更新可能性」「データ重複」「問い合わせ時の処理方法」で比較する。
  4. 体現ビューの特徴に合致する選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 「同じデータが実表と体現ビューとに重複して格納されることはない。」は誤り。体現ビューは実表のデータを物理的に複製して保存するため重複が発生する。
  • イ: 「更新可能であるとDBMSが判断したビューのことである。」は誤り。更新可能なビューは通常のビューの性質であり、体現ビューの定義とは異なる。
  • ウ: 「実表のようにデータベースに格納されるビューのことである。」が正解。体現ビューは物理的にデータを保存するビューである。
  • エ: 「問合せや更新要求のたびにビュー定義をSQL文に組み込んで処理する。」は通常のビューの特徴であり、体現ビューは保存済みのデータを参照するため誤り。

補足コラム

体現ビューはデータウェアハウスやBIシステムでよく利用されます。大量の集計や結合を事前に計算し保存することで、分析クエリの応答速度を大幅に向上させます。更新タイミングは即時更新(リアルタイム)や定期バッチ更新などがあり、用途に応じて使い分けられます。

FAQ

Q: 体現ビューはどのように更新されますか?
A: 体現ビューは基表の変更に応じて手動または自動で再計算・更新されます。更新方法はDBMSや設定によって異なります。
Q: 通常のビューと体現ビューの違いは何ですか?
A: 通常のビューは仮想的なテーブルで問い合わせ時に基表からデータを取得しますが、体現ビューは結果を物理的に保存し高速アクセスを可能にします。

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