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データベーススペシャリスト試験 2013年 午前2 問18
WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する説明のうち、適切なものはどれか。
ア:実行中のトランザクションを一時停止させることなく、チェックポイント処理を可能にする。
イ:デッドロック状態になっているトランザクションの検出を可能にする。
ウ:何らかの理由でDBMSが停止しても、コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする。(正解)
エ:ログを格納する記録媒体に障害が発生しても、データベースのデータ更新を可能にする。
解説
WAL(Write Ahead Log)プロトコルの目的に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:WALプロトコルは、障害発生時にコミット済みの更新データを確実に回復するための仕組みです。
- 根拠:更新内容をデータベースに反映する前にログに書き込むことで、障害後の復旧を可能にします。
- 差がつくポイント:WALはデータの整合性と耐障害性を保証するための基本技術であり、チェックポイントやデッドロック検出とは役割が異なります。
正解の理由
選択肢ウは「何らかの理由でDBMSが停止しても、コミット済みであるがデータベースに書き込まれていない更新データの回復を可能にする」と述べています。これはWALの本質的な目的に合致しています。WALでは、更新内容をデータベースに反映する前にログに書き込み、障害発生時にログを参照して未反映のコミット済みデータを復旧します。これにより、データの一貫性と耐障害性が確保されます。
よくある誤解
WALはトランザクションの一時停止やデッドロック検出を目的としません。また、ログ記録媒体の障害に対する耐性を直接保証するものでもありません。
解法ステップ
- WALの基本概念を理解する(ログ先行書き込みの意味)。
- トランザクションのコミットとログの関係を確認する。
- 障害発生時の復旧手順をイメージする。
- 選択肢の内容がWALの目的に合致しているかを検証する。
- チェックポイントやデッドロック検出など他の機能と混同しないよう注意する。
選択肢別の誤答解説
- ア: チェックポイント処理はWALと関連しますが、WALの目的は障害回復であり、トランザクションの一時停止とは直接関係ありません。
- イ: デッドロック検出はトランザクション管理の別機能であり、WALの役割ではありません。
- ウ: 正解。障害時にコミット済みの更新をログから復旧可能にするのがWALの目的です。
- エ: ログ記録媒体の障害に対する耐性はWALの範囲外であり、別途冗長化やバックアップが必要です。
補足コラム
WALはデータベースの耐障害性を支える重要な技術であり、多くのDBMSで採用されています。ログに先行して書き込むことで、障害発生時にログを参照して未反映のコミット済みデータを復旧可能にします。これにより、データの一貫性と信頼性が保証されます。チェックポイント処理はWALの効率化に寄与しますが、WALの目的そのものではありません。
FAQ
Q: WALはなぜログに先に書き込む必要があるのですか?
A: 障害発生時にログから復旧できるよう、更新内容を確実に記録するためです。これにより、データベースの整合性が保たれます。
A: 障害発生時にログから復旧できるよう、更新内容を確実に記録するためです。これにより、データベースの整合性が保たれます。
Q: WALはデッドロック検出に関係しますか?
A: いいえ。デッドロック検出はトランザクション管理の別機能であり、WALの役割ではありません。
A: いいえ。デッドロック検出はトランザクション管理の別機能であり、WALの役割ではありません。
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