データベーススペシャリスト試験 2013年 午前225


SOA(Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点のうち、適切なものはどれか。
可用性を高めるために、ステートフルなインタフェースとする。
業務からの独立性を確保するために、サービスの命名は役割を表すものとする。
業務の変化に対応しやすくするために、サービス間の関係は疎結合にする。(正解)
セキュリティを高めるために、一度開発したサービスは再利用しない方がよい。

解説

SOA(Service Oriented Architecture)でサービスを設計する際の注意点【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:SOA設計ではサービス間の関係を疎結合にすることが重要です。
  • 根拠:疎結合により業務の変化に柔軟に対応でき、サービスの独立性と再利用性が向上します。
  • 差がつくポイント:ステートレス設計や命名規則も重要ですが、疎結合の理解が合否を分けます。

正解の理由

選択肢ウ「業務の変化に対応しやすくするために、サービス間の関係は疎結合にする。」が正解です。
SOAの基本理念はサービスの独立性を保ち、変更の影響を最小限に抑えることにあります。疎結合にすることで、あるサービスの変更が他のサービスに波及しにくくなり、システム全体の柔軟性と保守性が向上します。

よくある誤解

ステートフルなインタフェースが可用性を高めるという誤解や、セキュリティ向上のためにサービスを再利用しないという誤った考え方が見られます。

解法ステップ

  1. SOAの基本概念を理解する(サービスの独立性と疎結合)。
  2. 各選択肢の内容がSOAの原則に合致しているかを検証する。
  3. ステートフルとステートレスの違いを確認し、可用性との関係を考える。
  4. サービス命名の目的と効果を整理する。
  5. セキュリティと再利用の関係を理解する。
  6. 疎結合のメリットが最もSOA設計の注意点として適切と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: ステートフルなインタフェースは可用性を下げることが多く、SOAではステートレスが推奨されます。
  • イ: サービスの命名は役割を表すことが望ましいですが、業務からの独立性確保には直接つながりません。
  • ウ: 業務の変化に対応しやすくするために、サービス間の関係は疎結合にする。(正解)
  • エ: セキュリティ向上のためにサービスを再利用しないのは逆効果で、再利用は効率化と品質向上に寄与します。

補足コラム

SOAでは「疎結合」と「ステートレス」が重要な設計原則です。疎結合はサービス間の依存度を低くし、変更の影響範囲を限定します。ステートレスはサービスの可用性とスケーラビリティを高めるために推奨されます。また、サービスの命名は理解しやすさや管理のしやすさに寄与しますが、独立性の確保は設計の構造的な部分で実現します。

FAQ

Q: SOAでステートレス設計が推奨される理由は?
A: ステートレスにすることでサービスの可用性が高まり、負荷分散や障害対応が容易になるためです。
Q: 疎結合と密結合の違いは何ですか?
A: 疎結合はサービス間の依存を最小限にし、変更の影響を限定する設計。一方、密結合は依存度が高く変更が困難になります。

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