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データベーススペシャリスト試験 2014年 午前2 問23
Web アプリケーションサーバとDBサーバが各1台で構成される Webシステムがある。この Web システムが次の性能モデルに従う場合, Web アプリケーションサーバとDB サーバ間のコネクションを, 処理の途中で不足しないようにするためには, 最低限どれだけ用意すべきか。ここで, 他の要因については考慮しないものとする。

ア:30
イ:40
ウ:70
エ:100(正解)
解説
WebアプリケーションサーバとDBサーバ間のコネクション数の最小値算出【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:最低限用意すべきコネクション数は100本である。
- 根拠:各業務の最大トランザクション件数(TPS)と内部保留時間を掛け合わせて必要なコネクション数を算出し、合計する。
- 差がつくポイント:単純な合計ではなく、各業務の処理時間を考慮した「同時接続数」を正確に計算することが重要である。
正解の理由
WebアプリケーションサーバとDBサーバ間のコネクション数は、各業務の最大トランザクション件数(TPS)にその処理の内部保留時間(秒)を掛けることで、同時に必要となるコネクション数を求められます。
具体的には、
具体的には、
- 検索:20 TPS × 2 秒 = 40
- 登録:10 TPS × 3 秒 = 30
- 削除:10 TPS × 3 秒 = 30
これらを合計すると、40 + 30 + 30 = 100 となり、最低限100本のコネクションが必要です。
したがって、選択肢の中で最も適切なのはエ: 100です。
よくある誤解
処理件数の合計だけを見て30や40と答えることが多いですが、処理時間を考慮しないと同時接続数を過小評価してしまいます。
解法ステップ
- 各業務の最大トランザクション件数(TPS)を確認する。
- 各業務のWebアプリケーションサーバ内部保留時間(秒)を確認する。
- TPSと保留時間を掛けて、各業務の同時接続数を算出する。
- 各業務の同時接続数を合計し、必要なコネクション数の合計を求める。
- 合計値と選択肢を比較し、最も近い数値を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 30
→ 処理件数の合計(20+10+10)だけを見て計算しているため、処理時間を無視している。 - イ: 40
→ 検索の同時接続数のみを考慮し、登録・削除を無視している。 - ウ: 70
→ 登録と削除の同時接続数を合計しているが、検索の分を含めていない。 - エ: 100
→ 各業務のTPSと保留時間を掛け合わせた同時接続数の合計であり、正しい。
補足コラム
この問題は「キューイング理論」の基本的な考え方に基づいています。処理の途中でリソースが不足しないようにするには、処理要求の発生頻度(TPS)と処理にかかる時間(保留時間)を掛け合わせて、同時に必要なリソース数を見積もることが重要です。Webシステムの性能設計やリソースプランニングにおいて頻出の考え方です。
FAQ
Q: なぜ処理時間を掛ける必要があるのですか?
A: 処理時間が長いほど、同時に処理中の要求が増えるため、必要なコネクション数が増えます。
A: 処理時間が長いほど、同時に処理中の要求が増えるため、必要なコネクション数が増えます。
Q: TPSが同じでも処理時間が異なる場合、どちらがコネクション数に影響しますか?
A: 処理時間が長い方が同時接続数が増えるため、コネクション数に大きく影響します。
A: 処理時間が長い方が同時接続数が増えるため、コネクション数に大きく影響します。
関連キーワード: TPS, 同時接続数, コネクションプール, キューイング理論, Webアプリケーション性能設計