データベーススペシャリスト試験 2015年 午前223


データベースサーバのクラスタリング技術に関する記述のうち, シェアードエブリシングを説明したものはどれか。
HA構成を用いたクラスタリングを行い, 障害発生時には待機系のサーバに担当していたデータ範囲を引き継ぐことができる。
アクティブーアクティブ構成によって負荷分散を行うことによって, サーバリソースの有効活用が可能となり, さらにデータが共有されているので、1台のサーバの障害発生時でも処理を継続することができる。(正解)
サーバごとに管理する対象データが決まっているので, 1台のサーバに障害が発生すると対象データを処理できなくなり, システム全体の可用性が低下する。
データを複数の磁気ディスクに分割配置し, さらにサーバと磁気ディスクが1対1に対応しているので, 複数サーバを用いた並列処理が可能となる。

解説

データベースサーバのクラスタリング技術に関する問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:シェアードエブリシングは複数サーバが同一データを共有し、アクティブーアクティブ構成で負荷分散と高可用性を実現します。
  • 根拠:データ共有によりどのサーバでも同じデータにアクセス可能で、障害時も処理継続が可能なためシステム全体の可用性が向上します。
  • 差がつくポイント:シェアードエブリシングはデータ共有の有無とアクティブーアクティブ構成の特徴を正確に理解することが重要です。

正解の理由

選択肢イは「アクティブーアクティブ構成による負荷分散」と「データ共有による障害時の処理継続」を正しく説明しています。シェアードエブリシングは複数のサーバが同じストレージを共有し、同時に稼働(アクティブーアクティブ)することでリソースの有効活用と高可用性を実現するため、この説明が最も適切です。

よくある誤解

シェアードエブリシングは単に待機系に切り替えるHA構成ではなく、複数サーバが同時にデータを共有し処理を分散する点が異なります。

解法ステップ

  1. 「シェアードエブリシング」の意味を確認する(共有ストレージを複数サーバで利用)
  2. アクティブーアクティブ構成の特徴(複数サーバが同時に稼働し負荷分散)を理解する
  3. 選択肢の説明が共有データと負荷分散、障害時の継続性を含むかをチェックする
  4. 最も条件に合致する選択肢を選ぶ

選択肢別の誤答解説

  • ア: 待機系に切り替えるHA構成はシェアードナッシングやアクティブ-スタンバイ構成に近く、シェアードエブリシングの特徴ではありません。
  • イ: 正解。アクティブーアクティブ構成でデータ共有し、負荷分散と高可用性を実現しています。
  • ウ: サーバごとに管理データが分かれているのはシェアードナッシング構成であり、シェアードエブリシングとは異なります。
  • エ: データを分割しサーバとディスクが1対1対応するのはシェアードナッシングの特徴で、シェアードエブリシングではありません。

補足コラム

シェアードエブリシングは共有ストレージを複数サーバで同時に利用するため、ストレージの競合制御やロック管理が重要です。代表的な製品にはOracle RAC(Real Application Clusters)などがあります。一方、シェアードナッシングは各サーバが独立したストレージを持ち、データ分割と分散処理を行います。

FAQ

Q: シェアードエブリシングとシェアードナッシングの違いは何ですか?
A: シェアードエブリシングは複数サーバが同じストレージを共有し同時にアクセスする構成で、シェアードナッシングは各サーバが独立したストレージを持ちデータを分割して管理します。
Q: アクティブーアクティブ構成のメリットは何ですか?
A: 複数サーバが同時に稼働し負荷分散が可能なため、リソースの有効活用と障害時の高い可用性を実現できます。

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