データベーススペシャリスト試験 2015年 午前224


アーキテクチャパターンのうち, ブローカの説明はどれか。
機能の中核部分と拡張部分を分離して, 変更要求に対する拡張性を向上させる。
データストリームに対する一連の処理を、容易に追加又は削除できるように分割して、段階的に実施する。
データの管理、利用者への情報表示, 利用者からの入力と制御の三つのコンポーネントでGUIシステムを構成して, 表示部分の変更に対して柔軟に対応する。
分散環境において, サービスの登録, 検索, メッセージのやり取りを行い, クライアントとサーバの相互依存性を弱める。(正解)

解説

アーキテクチャパターンのうち, ブローカの説明はどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:ブローカパターンは分散環境でサービスの仲介役を担い、クライアントとサーバの依存を弱める設計手法です。
  • 根拠:サービスの登録・検索・メッセージ交換を仲介することで、システムの柔軟性と拡張性を高めます。
  • 差がつくポイント:分散システムでの「仲介者(ブローカ)」の役割を理解し、他のパターンとの違いを明確に区別することが重要です。

正解の理由

選択肢エは、ブローカパターンの本質を正確に表しています。ブローカは分散環境において、サービスの登録や検索、メッセージのやり取りを仲介し、クライアントとサーバ間の直接的な依存関係を緩和します。これにより、システムのモジュール性や拡張性が向上し、サービスの追加や変更が容易になります。

よくある誤解

ブローカパターンは単なる機能分割やGUIの構成ではなく、分散システムにおける通信の仲介役である点を誤解しやすいです。

解法ステップ

  1. 問題文の「ブローカ」の意味を確認する。
  2. 各選択肢の説明がどのアーキテクチャパターンに該当するかを判断する。
  3. ブローカパターンは「分散環境での仲介者」と覚えているか確認する。
  4. 分散システムの特徴を持つ選択肢を選ぶ。
  5. 選択肢エがブローカの説明として最も適切であると判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: これは「プラグインパターン」や「拡張性を重視した設計」の説明であり、ブローカとは異なります。
  • イ: これは「パイプ・フィルタパターン」の説明で、データ処理の段階的分割を指します。
  • ウ: これは「MVC(モデル・ビュー・コントローラ)パターン」の説明で、GUIシステムの構成に関するものです。
  • エ: 分散環境でサービスの仲介を行い、クライアントとサーバの依存を弱めるブローカパターンの正しい説明です。

補足コラム

ブローカパターンは、分散オブジェクト技術やサービス指向アーキテクチャ(SOA)でよく用いられます。代表的な実装例としてはCORBAのオブジェクトリクエスタブローカ(ORB)や、メッセージングミドルウェアが挙げられます。これにより、システムの柔軟な拡張や異機種間の連携が可能になります。

FAQ

Q: ブローカパターンはどのようなシステムで使われますか?
A: 主に分散システムやサービス指向アーキテクチャで、異なるコンポーネント間の通信を仲介するために使われます。
Q: ブローカパターンとMVCパターンの違いは何ですか?
A: ブローカは分散環境での通信仲介を目的とし、MVCはGUIの構成を分離して柔軟性を高める設計パターンです。

関連キーワード: ブローカパターン, 分散システム, アーキテクチャパターン, サービス指向アーキテクチャ, CORBA, MVC, パイプ・フィルタ
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