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データベーススペシャリスト試験 2016年 午前2 問15
関係AとBに対して和集合演算が成立するための必要十分条件はどれか。
ア:同じ属性名でドメインが等しい属性が含まれている。
イ:次数が同じで, 対応する属性のドメインが等しい。(正解)
ウ:主キー属性のドメインが等しい。
エ:濃度(タプル数)が同じで, ドメインが等しい属性が少なくとも一つ存在する。
解説
和集合演算に関する必要十分条件の解説
関係データベースにおける 和集合演算(和演算) は、2つの関係から共通するスキーマを持つタプルを集合として結合する操作です。ここで言う関係とは、表形式のデータのことで、属性(列)とタプル(行)から構成されます。
和集合演算の前提条件
2つの集合 ( A ) と ( B ) の和集合 ( A \cup B ) は、集合論においてそれぞれの集合のすべての要素を一つにまとめた集合を指します。関係データベースにおける和集合演算では、以下の条件を満たす必要があります。
条件の内容
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次数(アトリビュート数)が同じであること
それぞれの関係は同じ数の属性(列)を持っている必要があります。次数が異なる場合、属性の対応関係を定められません。 -
対応する属性のドメインが等しいこと
各属性同士は、それぞれ同じ意味の属性であり、同じデータ型・ドメイン(取り得る値の範囲)でなければなりません。
これにより、同じ列に対して意味の異なるデータが混在することを防ぎます。
選択肢の分析
まとめ
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和集合演算が成立するには、2つの関係が
- 同じ次数(属性数)で
- 対応する属性が同じドメインを持つこと
が必要かつ十分です。
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したがって、正しい選択肢は イ となります。
数式による表現
関係 ( A ) と ( B ) があり、それぞれの属性集合を
(ここで ( D_i ) はドメイン)
の場合、和集合 ( A \cup B ) は定義可能です。
以上より、「次数が同じで、対応する属性のドメインが等しい」ことが和集合演算成立の 必要十分条件 となります。