ホーム > データベーススペシャリスト試験 > 2016年
データベーススペシャリスト試験 2016年 午前2 問17
トランザクションの原子性(atomicity)の説明として, 適切なものはどれか。
ア：データの物理的格納場所やアプリケーションプログラムの実行場所を意識することなくトランザクション処理が行える。
イ：トランザクションが終了したときの状態は, 処理済みか未処理のどちらかしかない。（正解）
ウ：トランザクション処理においてデータベースの一貫性が保てる。
エ：複数のトランザクションを同時に処理した場合でも、個々の処理結果は正しい。
解説
トランザクションの原子性 (Atomicity) についての解説
トランザクションは、データベースにおける一連の処理単位であり、その処理の信頼性や整合性を保つためにACID特性が定められています。ACID特性の中で「原子性 (Atomicity)」は、特に重要な概念の一つです。
1. 原子性 (Atomicity) とは？
原子性とは、トランザクションに含まれる全ての処理が全て完了するか、全く実行されなかったことになるかのどちらかであり、中途半端な状態が許されない性質を指します。これにより、トランザクションは「原子＝不可分」の単位として扱われます。
つまり、トランザクション処理は次のいずれかの状態にしか終わることができません。
- 成功して完全に処理済み：トランザクション内の全ての操作が正常に完了し、その結果が反映される。
- 失敗して未処理状態：トランザクション内の操作は一切反映されず、開始前の状態のまま戻る。
このため、途中でエラーが起きた場合に部分実行状態が残らないようにする仕組みが必要です。
2. 選択肢の確認
3. まとめ
- トランザクションの**原子性（Atomicity）**は、複数の操作が一つの不可分な単位として扱われることを意味し、トランザクションが途中で失敗した場合はすべての変更が取り消されます。
- 選択肢イが、この性質を最も正確に表現しています。
以上の理由から、トランザクションの原子性に関する正しい説明は イ となります。