ホーム > データベーススペシャリスト試験 > 2016年
データベーススペシャリスト試験 2016年 午前2 問22
RAID方式のうち, ストライピングの単位をアクセスの単位であるブロックとし書込み時のボトルネック解消のためにパリティ情報を異なる磁気ディスクに分散して格納するものはどれか。
ア:RAID 0
イ:RAID 3
ウ:RAID 4
エ:RAID 5(正解)
解説
RAID方式に関する解説
問題の整理
-
問題内容
ストライピング単位が「ブロック」であり、書き込み時のボトルネック解消のために パリティ情報を異なる磁気ディスクに分散して格納する RAID方式はどれか。 -
選択肢
- ア: RAID 0
- イ: RAID 3
- ウ: RAID 4
- エ: RAID 5
-
正解
エ: RAID 5
RAID方式の基本
RAID (Redundant Array of Independent Disks) は複数のディスクを組み合わせて性能向上や冗長性を実現する技術の総称です。代表的なRAIDのレベルは次の通りです。
各RAIDの特徴と問題との比較
RAID 0 (ア)
- ストライピングのみを行い、データを複数ディスクに並列書き込みし性能向上を図る。
- パリティがないため障害に弱い。
- パリティ情報は使わないので今回の条件には合わない。
RAID 3 (イ)
- データを バイト単位でストライピング する。
- パリティは専用の1つのディスクに集約。
- 連続的アクセスに強いが、パリティディスクが書き込みの ボトルネックとなる。
→ 問題文の「ストライピング単位がブロック」ではないため適さない。
RAID 4 (ウ)
- データを ブロック単位でストライピング する。
- パリティは専用の1つのディスクに集約。
- ブロック単位なので部分的アクセスには強いが、パリティディスクが書き込みの際の ボトルネック となる。
RAID 5 (エ)
- データを ブロック単位でストライピング する。
- パリティ情報も複数のディスクに分散して格納する(分散パリティ)。
- パリティディスクの集中化によるボトルネックが解消され、高い書き込み性能とデータ保護が両立できる。
パリティ分散の効果
RAID 4ではパリティが専用のディスクにあるため、そこに書き込み要求が集中しパフォーマンスが低下します。
一方 RAID 5 はパリティをディスク全体に均等に配置し、書き込み負荷を複数のディスクに分散します。
一方 RAID 5 はパリティをディスク全体に均等に配置し、書き込み負荷を複数のディスクに分散します。
これにより、
- 書き込み時のパリティ計算は複数ディスクで分散処理可能。
- I/Oのボトルネック解消。
- ストライピング単位はブロックで、アクセス単位と一致。
まとめ
問題文の条件を満たすのは RAID 5(選択肢エ)です。
参考資料
- 金子邦宏「コンピュータシステム」マイナビ出版
- IBM Redbook: RAID Storage Systems Architecture
以上が問題文の解説になります。