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データベーススペシャリスト試験 2018年 午前204


第2正規形である関係Rが、第3正規形でもあるための条件として、適切なものはどれか。
いかなる部分従属性も成立しない。
推移的関数従属性が存在しない。(正解)
属性の定義域が原子定義域である。
任意の関数従属A→Bに関して、Bは非キー属性である。

解説

第2正規形と第3正規形の関係についての解説

関係データベースの正規化は、データの冗長性を減らし、更新異常を防ぐための手法です。特に第2正規形(2NF)から第3正規形(3NF)へのステップは重要です。

1. 正規形の基本的な定義

  • 第2正規形 (2NF)
    • 関係が既に第1正規形(1NF)であること。
    • 候補キーの一部分に対する部分関数従属性が存在しない。
    • つまり、非キー属性が候補キーの一部にだけ依存することは許されない。
  • 第3正規形 (3NF)
    • 関係が第2正規形であること。
    • 推移的関数従属性が存在しない。
    • 推移的関数従属性とは、
      AB,BCA \to B, B \to C
      のような従属性で、ここで
      • (A):キー属性(候補キー)
      • (B):非キー属性
      • (C):非キー属性
        が成り立つ場合を指す。

2. 問題文のポイント

  • 「第2正規形である関係( R )が、第3正規形でもあるための条件は何か?」
    → 第3正規形になるためには、推移的関数従属性が存在しないことが必要。

3. 選択肢の検討

選択肢内容正しいか?解説
いかなる部分従属性も成立しない。×これは第2正規形の条件よりも強く、「部分従属性が全くない」というのは1NFや2NFの条件と比較して不適切。
推移的関数従属性が存在しない。これが第3正規形の条件であり、正しい。
属性の定義域が原子定義域である。×これは第1正規形(1NF)の条件であって、第3正規形の条件ではない。
任意の関数従属 ( A \to B ) に関して、( B ) は非キー属性である。×逆に、第3正規形では非キー属性間の関数従属を排除するため( B )が非キー属性だと問題。

まとめ

  • 第2正規形から第3正規形へのステップでは、「推移的関数従属性が存在しない」という条件を満たすことが必要です。
  • 選択肢の中では「イ」がこれに当たるため、正解は「イ」です。

参考文献

  • データベース設計の正規化について
  • Elmasri, Navathe 『Fundamentals of Database Systems』
  • 関数従属性と正規化の基本原理

以上が、第2正規形の関係が第3正規形になるための条件に関する詳細な解説です。
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