データベーススペシャリスト試験 2018年 午前223


分散処理システムにおける障害透明性(透過性)の説明として、適切なものはどれか。
管理者が、システム全体の状況を常に把握でき、システムを構成する個々のコンピュータで起きた障害をリアルタイムに知ることができること
個々のコンピュータでの障害がシステム全体に影響を及ぼすことを防ぐために、データを1か所に集中して管理すること
どのコンピュータで障害が起きてもすぐ対処できるように、均一なシステムとなっていること
利用者が、個々のコンピュータに障害が起きていることを認識することなく、システムを利用できること(正解)

解説

分散処理システムにおける障害透明性(透過性)の説明【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:障害透明性とは利用者が障害を意識せずにシステムを利用できることです。
  • 根拠:分散処理システムでは複数のコンピュータが連携し、障害があっても利用者に影響を与えない設計が求められます。
  • 差がつくポイント:管理者視点の障害検知や集中管理ではなく、利用者視点で障害を隠蔽することが障害透明性の本質です。

正解の理由

選択肢エは「利用者が個々のコンピュータの障害を認識せずにシステムを利用できること」とあり、障害透明性の定義に合致します。分散処理システムでは、障害が発生してもシステム全体のサービスが継続されるように設計されており、利用者に障害の影響を感じさせないことが重要です。これにより、システムの信頼性とユーザビリティが向上します。

よくある誤解

障害透明性は管理者が障害を把握することや、障害を集中管理することではありません。利用者に障害を隠すことが目的であり、管理者の視点とは異なります。

解法ステップ

  1. 「障害透明性」の意味を正確に理解する(利用者に障害を見せないこと)。
  2. 選択肢の中で「利用者が障害を認識しない」と明示しているものを探す。
  3. 管理者視点や集中管理を述べる選択肢は除外する。
  4. 利用者視点で障害を隠蔽する選択肢を正解とする。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 管理者が障害をリアルタイムに把握することは監視の話であり、障害透明性の定義とは異なります。
  • イ: データを1か所に集中管理することは単一障害点を作る可能性があり、分散処理の利点を損ないます。
  • ウ: 均一なシステム構成は管理の容易さに寄与しますが、障害透明性の説明としては不十分です。
  • エ: 利用者が障害を認識せずに利用できることが障害透明性の正しい説明です。

補足コラム

障害透明性は分散システムの「透過性」の一種であり、他にも「位置透明性」「移動透明性」「複製透明性」などがあります。これらは利用者にシステムの複雑さを隠し、使いやすさを向上させるための設計指針です。

FAQ

Q: 障害透明性と障害検知は同じですか?
A: いいえ。障害透明性は利用者に障害を見せないこと、障害検知は管理者が障害を把握することです。
Q: なぜデータを集中管理すると障害透明性が損なわれるのですか?
A: 集中管理は単一障害点を作り、障害がシステム全体に影響を及ぼす可能性が高まるためです。

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