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データベーススペシャリスト試験 2019年 午前2 問19
ビッグデータの処理に使用されるCEP(複合イベント処理)に関する記述として, 適切なものはどれか。
ア:ストリームデータをメモリ上に展開し, あらかじめ設定した条件に合致した場合に対応するアクションを実行する。(正解)
イ:ビジネスの結果を表す数値データをファクトテーブル, そのデータの解析に必要なデータを次元テーブルに格納して処理する。
ウ:分散データベースにおいて, 関係する全てのプロセスでコミットが可能かを判定する相と, 各プロセスで実際のコミットを行う相の二つを経てコミット処理を実行する。
エ:並列分散環境にある多数のサーバによって, 分散ファイルシステムに蓄積された大量データをバッチ処理する。
解説
CEP(複合イベント処理)についての解説
問題の整理
問題文では「ビッグデータの処理に使用されるCEP(複合イベント処理)」に関して適切な記述を選ぶ問題です。
選択肢のうち、**ア:「ストリームデータをメモリ上に展開し、あらかじめ設定した条件に合致した場合に対応するアクションを実行する」**が正解とされています。
選択肢のうち、**ア:「ストリームデータをメモリ上に展開し、あらかじめ設定した条件に合致した場合に対応するアクションを実行する」**が正解とされています。
他の選択肢はそれぞれ異なる技術や概念について述べており、CEPの定義とは異なります。
CEP(複合イベント処理)とは?
定義
複合イベント処理(CEP: Complex Event Processing)とは、大量のストリーム(連続的に流れてくるデータ)をリアルタイムで分析し、特定の条件やパターンにマッチするイベント(複合イベント)を検出する技術です。
この際、イベントは単発のものだけでなく、複数のイベントを組み合わせて分析されます(例えば、「あるイベントAが起きてから一定時間内にイベントBが続けて起きた場合」など)。
特徴
- リアルタイム処理: 大量のデータをリアルタイムで処理する
- イベントのパターン検出: 個別イベントだけでなく、複数イベントのパターンを検出
- 即時アクション: 条件に合致した際にただちにアクションを起こすことが可能
- メモリ上での処理: ストリームデータをメモリ上で展開して高速に処理する
選択肢の検討
-
ア:
「ストリームデータをメモリ上に展開し、あらかじめ設定した条件に合致した場合に対応するアクションを実行する」
→ CEPの特徴そのものを正確に表現しています。 -
イ:
「ビジネスの結果を表す数値データをファクトテーブル、解析に必要なデータを次元テーブルに格納する」
→ これは**データウェアハウスの多次元モデル(スター・スキーマ)**の説明であり、CEPとは異なります。 -
ウ:
「分散データベースでのコミットの二相(2フェーズコミット)プロトコルの説明」
→ 分散トランザクションの一貫性を保つ手法であり、CEPの説明ではありません。 -
エ:
「分散ファイルシステムで大量データをバッチ処理する」
→ これはHadoopのようなビッグデータのバッチ処理を表し、CEPのリアルタイムストリーム処理とは異なります。
まとめ
参考式・イメージ
ストリームデータが連続的に入ってくる中で、CEPは以下のような条件判定を行います。
このパターンが検出されたら、
この処理をメモリ上でリアルタイムに行うことで、迅速な対応が可能になります。
まとめ
CEPは「リアルタイムで流れてくるストリームデータをメモリ上で展開し、あらかじめ設定された条件に合致したときに対応するアクションを起こす技術」であり、
その特徴を最も的確に表しているのは選択肢「ア」です。
他の選択肢は異なる技術や処理モデルを説明しているため、CEPの説明には適しません。
その特徴を最も的確に表しているのは選択肢「ア」です。
他の選択肢は異なる技術や処理モデルを説明しているため、CEPの説明には適しません。