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データベーススペシャリスト試験 2019年 午前2 問21
迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタの説明はどれか。
ア:信頼できるメール送信元を許可リストに登録しておき, 許可リストにないメール送信元からの電子メールは迷惑メールと判定する。
イ:電子メールが正規のメールサーバから送信されていることを検証し, 迷惑メールであるかどうかを判定する。
ウ:電子メールの第三者中継を許可しているメールサーバを登録したデータベースの掲載情報を基に, 迷惑メールであるかどうかを判定する。
エ:利用者が振り分けた迷惑メールと正規のメールから特徴を学習し, 迷惑メールであるかどうかを統計的に判定する。(正解)
解説
迷惑メールの検知手法であるベイジアンフィルタの説明はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ベイジアンフィルタは利用者が振り分けたメールの特徴を学習し、統計的に迷惑メールを判定します。
- 根拠:ベイズの定理を用いて、メールの単語や特徴の出現確率から迷惑メールかどうかを推定するためです。
- 差がつくポイント:単純な許可リストや送信元検証ではなく、メール内容の特徴を学習し続ける点がベイジアンフィルタの特徴です。
正解の理由
選択肢エは「利用者が振り分けた迷惑メールと正規のメールから特徴を学習し、統計的に判定する」とあり、これはベイジアンフィルタの基本的な仕組みを正確に表しています。ベイジアンフィルタは過去のメールデータを基に単語の出現頻度などを統計的に分析し、迷惑メールの可能性を確率的に計算します。これにより、新たなメールも確率的に迷惑メールかどうかを判定できるため、誤判定を減らしつつ柔軟に対応可能です。
よくある誤解
ベイジアンフィルタは単に送信元の信頼性やメールサーバの情報を使うわけではなく、メール本文の内容を統計的に解析する点が誤解されやすいです。
解法ステップ
- 問題文の「ベイジアンフィルタ」の特徴を確認する。
- ベイズの定理を利用した統計的判定であることを理解する。
- 各選択肢の説明がベイジアンフィルタの特徴に合致しているかを比較する。
- 「利用者が振り分けたメールから学習し判定する」説明が正しいことを確認する。
- 正解は選択肢エと判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 許可リスト方式はホワイトリスト方式であり、ベイジアンフィルタとは異なります。
- イ: 正規のメールサーバからの送信検証はSPFやDKIMなどの認証技術であり、ベイジアンフィルタの説明ではありません。
- ウ: 第三者中継サーバの情報を使うのはDNSBLなどのブラックリスト方式で、ベイジアンフィルタとは異なります。
- エ: 利用者の振り分け結果を学習し、統計的に迷惑メールを判定するベイジアンフィルタの正しい説明です。
補足コラム
ベイジアンフィルタは「ナイーブベイズ分類器」とも呼ばれ、単語の出現確率を独立と仮定して計算します。学習データが増えるほど判定精度が向上し、スパムメールの特徴が変化しても柔軟に対応可能です。近年は機械学習の発展により、より高度なフィルタリング技術も併用されています。
FAQ
Q: ベイジアンフィルタはどのように学習するのですか?
A: 利用者が迷惑メールや正規メールを振り分けることで、そのメールの単語や特徴の出現頻度を統計的に記録し、判定モデルを更新します。
A: 利用者が迷惑メールや正規メールを振り分けることで、そのメールの単語や特徴の出現頻度を統計的に記録し、判定モデルを更新します。
Q: ベイジアンフィルタは完全に迷惑メールを防げますか?
A: いいえ。確率的判定のため誤判定が起こることもありますが、継続的な学習で精度を高められます。
A: いいえ。確率的判定のため誤判定が起こることもありますが、継続的な学習で精度を高められます。
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