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データベーススペシャリスト試験 2019年 午前2 問22
キャッシュメモリの動作に関する記述のうち, 適切なものはどれか。
ア:キャッシュミスが発生するとキャッシュ全体は一括消去され, 主記憶から最新のデータが転送される。
イ:キャッシュメモリには, メモリアクセスの実効速度を上げる効果がない。
ウ:キャッシュメモリにヒットすると, 主記憶から最新のデータが転送される。
エ:主記憶のアクセス時間とプロセッサの命令実行時間との差が大きいマシンでは, キャッシュメモリによって実効アクセス時間の短縮が期待できる。(正解)
解説
キャッシュメモリの動作に関する問題【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:キャッシュメモリは主記憶とプロセッサ間の速度差を埋め、実効アクセス時間を短縮するために有効です。
- 根拠:主記憶のアクセス時間はプロセッサの命令実行時間より遅いため、キャッシュが高速なデータアクセスを実現します。
- 差がつくポイント:キャッシュミス時の動作やキャッシュヒットの意味を正確に理解し、誤った動作イメージを持たないことが重要です。
正解の理由
選択肢エは、主記憶のアクセス時間とプロセッサの命令実行時間の差が大きい場合に、キャッシュメモリが実効アクセス時間の短縮に寄与することを正しく述べています。キャッシュは高速なメモリで頻繁に使われるデータを保持し、プロセッサが主記憶にアクセスする回数を減らすため、全体の処理速度向上に効果的です。
よくある誤解
キャッシュミスが起きるとキャッシュ全体を消去するわけではなく、必要なデータだけを主記憶から読み込みます。キャッシュヒット時は主記憶からデータを転送しません。
解法ステップ
- キャッシュメモリの役割を理解する(高速アクセスのための中間記憶)。
- キャッシュヒットとキャッシュミスの違いを確認する。
- 各選択肢の記述がキャッシュの基本動作に合致しているか検証する。
- 主記憶とプロセッサの速度差がキャッシュの効果にどう影響するか考える。
- 正しい動作を述べている選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: キャッシュミス時にキャッシュ全体を消去することはなく、必要なブロックのみ主記憶から読み込みます。
- イ: キャッシュメモリはメモリアクセスの実効速度を上げるために存在し、効果がないというのは誤りです。
- ウ: キャッシュヒット時はキャッシュ内のデータを直接使用し、主記憶からデータを転送しません。
- エ: 主記憶とプロセッサの速度差が大きい場合にキャッシュが実効アクセス時間を短縮する点を正しく述べています。
補足コラム
キャッシュメモリは「局所性の原理」に基づき、最近使ったデータや近くのデータを保持します。これにより、プログラムの実行効率が大幅に向上します。キャッシュの階層構造(L1、L2、L3)も性能向上に寄与しています。
FAQ
Q: キャッシュミスが起きたとき、キャッシュはどう動作しますか?
A: 必要なデータブロックを主記憶から読み込み、キャッシュに格納してからプロセッサに渡します。全体を消去しません。
A: 必要なデータブロックを主記憶から読み込み、キャッシュに格納してからプロセッサに渡します。全体を消去しません。
Q: キャッシュヒットとは何ですか?
A: プロセッサが要求したデータがキャッシュ内に存在し、主記憶にアクセスせずに高速に取得できる状態です。
A: プロセッサが要求したデータがキャッシュ内に存在し、主記憶にアクセスせずに高速に取得できる状態です。
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