データベーススペシャリスト試験 2023年 午前203


概念データモデルの説明として、最も適切なものはどれか。
階層モデル、ネットワークモデル、関係モデルがある。
業務プロセスを抽象化して表現したものである。
集中型DBMSを導入するか、分散型DBMSを導入するかによって内容が変わる。
対象世界の情報構造を抽象化して表現したものである。(正解)

解説

概念データモデルの説明として、最も適切なものはどれか。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:概念データモデルは対象世界の情報構造を抽象化して表現するものである。
  • 根拠:概念データモデルは現実世界の情報を理解しやすく整理し、システム設計の基盤となる。
  • 差がつくポイント:物理的な実装や業務プロセスではなく、情報の本質的な構造に着目する点を押さえること。

正解の理由

選択肢エは「対象世界の情報構造を抽象化して表現したものである」と述べており、概念データモデルの本質を正確に表しています。概念データモデルは、業務や現実世界の情報を抽象的かつ論理的に表現し、データベース設計の初期段階で用いられます。これにより、システム開発者と利用者間の認識のズレを減らし、効率的な設計が可能となります。

よくある誤解

概念データモデルを物理的なデータベース構造や業務プロセスの表現と混同しやすいですが、あくまで情報の本質的な構造を示す抽象モデルです。

解法ステップ

  1. 問題文の「概念データモデル」の定義を思い出す。
  2. 各選択肢が「概念データモデル」の説明として適切か検討する。
  3. 「階層モデル」「ネットワークモデル」「関係モデル」は物理・論理モデルの分類であることを確認。
  4. 業務プロセスの抽象化は業務モデルの範疇であることを理解。
  5. DBMSの集中型・分散型はシステム構成の話であり、モデルの説明ではないと判断。
  6. 対象世界の情報構造を抽象化する説明が概念データモデルの本質であるため、選択肢エを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 階層モデル、ネットワークモデル、関係モデルは論理データモデルや物理データモデルの分類であり、概念データモデルの説明としては不適切です。
  • イ: 業務プロセスの抽象化は業務モデルやビジネスプロセスモデルの領域であり、概念データモデルの説明とは異なります。
  • ウ: 集中型DBMSや分散型DBMSはシステム構成の違いであり、データモデルの内容とは関係がありません。
  • エ: 対象世界の情報構造を抽象化して表現したものであり、概念データモデルの定義に合致します。

補足コラム

概念データモデルはER図(エンティティ・リレーションシップ図)などで表現され、エンティティ(実体)、属性、リレーションシップ(関係)を用いて情報の構造を視覚的に示します。これにより、システム設計の初期段階で関係者間の共通理解を促進します。

FAQ

Q: 概念データモデルと論理データモデルの違いは何ですか?
A: 概念データモデルは現実世界の情報構造を抽象的に表現し、論理データモデルはそれを特定のデータベースモデル(関係モデルなど)に落とし込んだものです。
Q: なぜ業務プロセスの抽象化は概念データモデルではないのですか?
A: 業務プロセスは業務フローやビジネスプロセスの分析対象であり、概念データモデルは情報の構造に焦点を当てているため、対象が異なります。

関連キーワード: 概念データモデル, ER図, 抽象化, 情報構造, データベース設計, 論理データモデル, 物理データモデル
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