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データベーススペシャリスト試験 2023年 午前2 問12
相ロック方式を用いたトランザクションの同時実行制御に関する記述のうち、適切なものはどれか。
ア:全てのトランザクションが直列に制御され、デッドロックが発生することはない。
イ:トランザクションのコミット順序は、トランザクション開始の時刻順となるように制御される。
ウ:トランザクションは、自身が獲得したロックを全て解除した後にだけ、コミット操作を実行できる。
エ:トランザクションは、必要な全てのロックを獲得した後にだけ、ロックを解除できる。(正解)
解説
相ロック方式を用いたトランザクションの同時実行制御に関する記述【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:相ロック方式では、トランザクションは必要な全てのロックを獲得後にのみロックを解除できるため、整合性が保たれます。
- 根拠:相ロック方式は、データの一貫性を守るためにロックの取得と解除のタイミングを厳密に管理し、競合を防止します。
- 差がつくポイント:ロックの解除タイミングやコミット順序の誤解を避け、相ロック方式の基本ルールを正確に理解することが重要です。
正解の理由
選択肢エは「トランザクションは、必要な全てのロックを獲得した後にだけ、ロックを解除できる」と述べています。これは相ロック方式の基本原則に合致しています。相ロック方式では、トランザクションが必要なロックをすべて取得し終えるまでロックを解除できず、これによりデータの整合性と一貫性が保たれます。ロックの解除は、全ての必要なロックを獲得した後に行われるため、途中でのロック解除による競合や不整合を防止します。
よくある誤解
トランザクションがロックを解除するタイミングをコミット後と誤解しがちですが、相ロック方式では必要なロックをすべて獲得後に解除可能です。コミット順序が開始時刻順になるわけではありません。
解法ステップ
- 相ロック方式の基本ルールを確認する。
- トランザクションのロック取得と解除のタイミングを理解する。
- 各選択肢の記述が相ロック方式のルールに合致しているか検証する。
- ロック解除のタイミングに関する記述が正しいかを重点的に判断する。
- 正しい記述を選択肢から特定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 「全てのトランザクションが直列に制御され、デッドロックが発生しない」は誤り。相ロック方式でもデッドロックは発生する可能性があります。
- イ: 「コミット順序が開始時刻順になる」は誤り。コミット順序は必ずしも開始時刻順とは限りません。
- ウ: 「ロックを全て解除した後にコミットできる」は誤り。通常はコミット後にロックを解除します。
- エ: 「必要な全てのロックを獲得後にのみロックを解除できる」は正しい。
補足コラム
相ロック方式はデータベースの同時実行制御で用いられ、トランザクションの整合性を保つためにロックの取得と解除を厳密に管理します。デッドロックの検出や回避も重要な課題であり、タイムアウトや待機グラフ解析などの手法が用いられます。
FAQ
Q: 相ロック方式でデッドロックは発生しますか?
A: はい、相ロック方式でも複数トランザクションが互いにロックを待つことでデッドロックが発生する可能性があります。
A: はい、相ロック方式でも複数トランザクションが互いにロックを待つことでデッドロックが発生する可能性があります。
Q: トランザクションはロックを解除してからコミットできますか?
A: 通常はコミット後にロックを解除します。ロック解除前にコミットすることは整合性を損なう恐れがあります。
A: 通常はコミット後にロックを解除します。ロック解除前にコミットすることは整合性を損なう恐れがあります。
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