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データベーススペシャリスト試験 2023年 午前2 問17
二つのトランザクションT1 T2を並列に実行した結果が、T1の完了後にT2を実行した結果、又はT2の完了後にT1を実行した結果と等しい場合、このトランザクションスケジュールの性質を何と呼ぶか。
ア:一貫性
イ:原子性
ウ:耐久性
エ:直列化可能性(正解)
解説
二つのトランザクションT1 T2を並列に実行した結果が、T1の完了後にT2を実行した結果、又はT2の完了後にT1を実行した結果と等しい場合、このトランザクションスケジュールの性質を何と呼ぶか。【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:この性質は「直列化可能性」と呼ばれ、並列実行の結果が直列実行と同じになることを指します。
- 根拠:直列化可能性はトランザクションの整合性を保ちつつ並列処理を可能にする重要な概念です。
- 差がつくポイント:一貫性や原子性、耐久性と混同せず、並列スケジュールの結果が直列スケジュールと等しいかを判断する点が重要です。
正解の理由
「直列化可能性」とは、複数のトランザクションを並列に実行した結果が、どこかの順序で直列に実行した場合と同じ結果になる性質です。問題文の条件はまさにこの定義に合致しているため、正解はエ: 直列化可能性です。
よくある誤解
一貫性や原子性はトランザクションの別の性質であり、並列実行の結果が直列実行と同じになることを示すものではありません。
解法ステップ
- 問題文の条件を読み、並列実行の結果が直列実行の結果と等しいか確認する。
- 並列実行と直列実行の結果が同じなら「直列化可能性」の定義に該当する。
- 選択肢の意味を整理し、並列実行の結果に関する用語を選ぶ。
- 「直列化可能性」が正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 一貫性
トランザクション開始前後でデータベースの整合性が保たれる性質であり、並列実行の結果が直列実行と同じかは関係ありません。 - イ: 原子性
トランザクションが全て成功するか全て失敗するかの性質で、並列実行の結果の比較とは異なります。 - ウ: 耐久性
トランザクションの結果が永続的に保存される性質で、並列実行の結果の整合性とは無関係です。 - エ: 直列化可能性
並列に実行したトランザクションの結果が、ある直列実行の結果と同じになる性質であり、問題文の条件に合致します。
補足コラム
直列化可能性はデータベースの並行制御における基本概念で、スケジューラがトランザクションの実行順序を調整し、整合性を保ちながら効率的な処理を実現します。これにより、複数のトランザクションが同時に実行されても、結果はあたかも一つずつ順番に実行されたかのように見えます。
FAQ
Q: 直列化可能性と一貫性はどう違いますか?
A: 直列化可能性は並列実行の結果が直列実行と同じになる性質、一貫性はトランザクション開始前後でデータの整合性が保たれる性質です。
A: 直列化可能性は並列実行の結果が直列実行と同じになる性質、一貫性はトランザクション開始前後でデータの整合性が保たれる性質です。
Q: なぜ直列化可能性が重要なのですか?
A: 並列実行の効率を高めつつ、データの整合性を保証するために不可欠な概念だからです。
A: 並列実行の効率を高めつつ、データの整合性を保証するために不可欠な概念だからです。
関連キーワード: トランザクション, 直列化可能性, 並行制御, データベース, スケジューリング