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データベーススペシャリスト試験 2024年 午前2 問11
関係R, Sに次の演算を行うとき, RとSが和両立である必要のないものはどれか。
ア:共通集合
イ:差集合
ウ:直積(正解)
エ:和集合
解説
解説:関係R, Sの和両立と演算の関係について
関係データベース理論において、和両立 (disjointness) とは2つの関係RとSの間に「同じタプルが存在しない」ことを意味します。つまり、
が成立するときに、RとSは和両立であるといいます。
問題の趣旨
和両立が必要のないものとは、「その演算を行うためにRとSが和両立である必要がない操作」を指します。選択肢ごとに和両立の条件と関係を考えてみましょう。
各選択肢の意味と和両立の必要性
ア: 共通集合 (Intersection)
-
意味
2つの関係の共通部分を取る操作。 -
和両立の必要性
共通集合はRとSの重複がある部分を求めるため、そもそも重複がなければ共通集合は空集合です。しかし、この操作を行うのに和両立の前提は不要です。
→ 和両立である必要はない。
イ: 差集合 (Difference)
-
意味
RからSに含まれるタプルを除く操作。 -
和両立の必要性
差集合を定義するには「RとSが重複していても問題ありません」。和両立は不要。
ウ: 直積 (Cartesian Product)
-
意味
Rの各タプルとSの各タプルの組み合わせをすべて取る操作。 -
和両立の必要性
直積はタプルが組み合わされる仕様上、RとS内の重複とは基本的に無関係。重複があってもなくても演算は成立するため、和両立は必要ない。
→ これが正解
エ: 和集合 (Union)
-
意味
RとSどちらかに属するタプルを集める操作。 -
和両立の必要性
一般的に関係の和集合を定義するとき、特に重複があるタプルはひとつだけ保持するため、RとSは和両立(重複なし)であることが望ましい。そうでないと意味のある和を取るのが難しくなる。
したがって、和集合を考える際は和両立が必要であると言える。
まとめ
この中で「和両立である必要のないもの」はウ: 直積です。
まとめ
- 和両立とは:二つの関係が重複しないこと
- 和両立が必要か否かは演算の性質による
- 直積は和両立の必要がないため、正解は「ウ」となる
ご理解いただけましたでしょうか?