データベーススペシャリスト試験 2024年 午前222


複数組のRAID5をストライピング動作させることによって, 一組のRAID5と比べて性能を改善させたものをRAID5+0と呼ぶ。このRAID5+0を一組のRAID5と比較した記述として, 適切なものはどれか。
RAID5+0の実効容量は一組のRAID5と同様に, 全体のHDD台数より1台少ない台数分になる。
RAID5+0の耐障害性は一組のRAID5よりも高く, 故障台数が全体のHDD台数の半分までならデータを復旧できる。
一組のRAID5には最小3台, 二組のRAID5には最小6台のHDDが必要だが, 二組のRAID5をストライピング動作させるRAID5+0にすれば最小5台のHDDでシステムを構成できる。
一組のRAID5の転送速度に比べて, 複数組のRAID5をストライピング動作させたRAID5+0は転送速度を高速にできる。(正解)

解説

RAID5+0の性能比較問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:RAID5+0は複数のRAID5をストライピングして転送速度を向上させる構成である。
  • 根拠:ストライピングにより複数のRAID5の読み書きを並列化し、単一RAID5より高速なデータ転送が可能になるため。
  • 差がつくポイント:耐障害性や実効容量の計算方法、最小必要台数の理解を正確にし、転送速度の特徴を押さえることが重要。

正解の理由

選択肢エは「複数組のRAID5をストライピング動作させたRAID5+0は転送速度を高速にできる」と述べています。RAID5はパリティ分散により耐障害性を確保しつつ容量効率も良いですが、単一のRAID5では転送速度に限界があります。RAID5+0は複数のRAID5をストライピング(RAID0)で連結するため、各RAID5の読み書きを並列化し、結果として転送速度が向上します。したがって、性能改善の観点から正しい記述です。

よくある誤解

RAID5+0の耐障害性が単一RAID5より大幅に高いと誤解されがちですが、耐障害性は構成によって異なり、必ずしも「半数まで故障しても復旧可能」とは限りません。容量計算も単純に台数から1台引くだけではありません。

解法ステップ

  1. RAID5の基本構成と特徴(パリティ分散、耐障害性、容量効率)を理解する。
  2. RAID0(ストライピング)の特徴(高速化、耐障害性なし)を理解する。
  3. RAID5+0は複数のRAID5をRAID0でストライピングした構成であることを確認する。
  4. RAID5+0の転送速度は複数のRAID5の並列処理により向上することを把握する。
  5. 選択肢の内容を耐障害性、容量、台数、速度の観点で比較し、正しいものを選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: RAID5+0の実効容量は単一RAID5の単純な拡張ではなく、複数のRAID5の容量合計になるため誤り。
  • イ: RAID5+0の耐障害性は単一RAID5より高い場合もあるが、「全体の半数まで故障しても復旧可能」という表現は過大評価。
  • ウ: RAID5は最小3台、RAID5+0は複数のRAID5を組み合わせるため最小台数は5台ではなく、6台以上が一般的。
  • エ: 複数組のRAID5をストライピングすることで転送速度が向上するため正解。

補足コラム

RAID5+0はRAID50とも呼ばれ、RAID5の耐障害性とRAID0の高速性を組み合わせた構成です。耐障害性はRAID5の各グループ単位で維持されるため、グループ内で1台までの故障に耐えられますが、グループが複数あるため全体としては耐障害性が向上する場合もあります。容量は各RAID5グループの容量合計となり、単純に全台数から1台分を引くだけではありません。

FAQ

Q: RAID5+0の耐障害性は単一RAID5より必ず高いですか?
A: いいえ。RAID5+0は複数のRAID5グループで構成されるため、グループごとに1台までの故障に耐えますが、全体の耐障害性は構成によります。
Q: RAID5+0の最小必要HDD台数は何台ですか?
A: RAID5は最小3台、RAID5+0は複数のRAID5グループをストライピングするため、最低でも6台以上が一般的です。
Q: RAID5+0のメリットは何ですか?
A: RAID5の耐障害性と容量効率を維持しつつ、RAID0のストライピング効果で転送速度を向上できる点です。

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