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ITストラテジスト試験 2009年 午前2 問08
システムの機能要件を定義する上で、前提となる要件定義作業はどれか。
ア:対象業務の業務モデルから業務機能を支援するシステム化機能を整理し、その実現のために必要なシステム方式を策定する。
ウ:利害関係者からのニーズを整理し、新しい業務の在り方や運用をまとめた上で、業務上実現すべき要件を明らかにする。(正解)
エ:利害関係者要件のシステム要求が技術的に実現可能であるかを検証し、システム設計が可能な技術要件に変換する。
イ:対象業務の具体的な業務上の問題点を分析し、解決方向を明確化するとともに、システムを用いて実現すべき有課題を定義する。
解説
システムの機能要件を定義する上で、前提となる要件定義作業はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:システムの機能要件を定義する前提としては、利害関係者のニーズを整理し業務上の実現すべき要件を明確にする作業が必要です。
- 根拠:機能要件は業務要件を基に具体化されるため、まず業務の在り方や運用を整理し、実現すべき業務要件を固めることが重要です。
- 差がつくポイント:業務要件とシステム要件の違いを理解し、利害関係者のニーズを業務要件に落とし込む段階が「前提の要件定義」である点を押さえましょう。
正解の理由
選択肢ウは、利害関係者からのニーズを整理し、新しい業務の在り方や運用をまとめた上で、業務上実現すべき要件を明らかにするとしています。これはシステムの機能要件を定義する前に、業務要件を明確にする作業であり、要件定義の初期段階に該当します。機能要件はこの業務要件を基に具体化されるため、ウが正解です。
よくある誤解
システム方式の策定や技術的実現可能性の検証は、機能要件定義の後の段階で行うため、これらを前提の要件定義と混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「前提となる要件定義作業」が何を指すかを確認する。
- 要件定義の流れを理解し、「業務要件」と「機能要件」の関係を整理する。
- 各選択肢が業務要件定義か機能要件定義か、または設計段階かを判別する。
- 業務要件を明確にする選択肢を正解とする。
選択肢別の誤答解説
- ア: 業務モデルからシステム化機能を整理しシステム方式を策定するのは、機能要件定義や設計段階の作業であり、前提の要件定義ではありません。
- イ: 業務上の問題点分析や解決方向の明確化は課題定義に近いが、具体的な業務要件の整理には至っていないため、前提の要件定義としては不十分です。
- ウ: 利害関係者のニーズ整理と業務要件の明確化は、機能要件定義の前提となる要件定義作業であり正解です。
- エ: 技術的実現可能性の検証や技術要件への変換は、設計段階の作業であり、前提の要件定義ではありません。
補足コラム
要件定義は大きく「業務要件定義」と「システム要件定義」に分かれます。業務要件定義では、利害関係者のニーズを整理し業務の在り方を明確にします。システム要件定義はその業務要件をシステムで実現するための具体的な機能や性能を定める段階です。これらの区別を理解することが、問題を正しく解く鍵となります。
FAQ
Q: 業務要件定義とシステム要件定義の違いは何ですか?
A: 業務要件定義は業務の目的や必要な業務プロセスを明確にする段階で、システム要件定義はその業務を支援するためのシステムの具体的な機能や性能を決める段階です。
A: 業務要件定義は業務の目的や必要な業務プロセスを明確にする段階で、システム要件定義はその業務を支援するためのシステムの具体的な機能や性能を決める段階です。
Q: 技術的実現可能性の検証はどの段階で行いますか?
A: システム要件定義や設計段階で行い、業務要件定義の前提作業ではありません。
A: システム要件定義や設計段階で行い、業務要件定義の前提作業ではありません。
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