ITストラテジスト試験 2009年 午前213


ある席客層の今後3年間を通しての年間殿客総持率が40%、1人当たり年平均売上高が200万円、売上高コスト比率が 50%と想定される場合、今後3年間のLTV (願客1人当たりの生涯価値) は何万円か。ここで、割引率は考慮しなくてよいものとする。
62.4
156(正解)
210
312

解説

ある席客層の今後3年間を通しての年間殿客総持率が40%、1人当たり年平均売上高が200万円、売上高コスト比率が 50%と想定される場合、今後3年間のLTV (願客1人当たりの生涯価値) は何万円か。【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:今後3年間のLTVは156万円となります。
  • 根拠:LTVは「利益×継続率の累積」で計算し、売上高からコストを差し引いた利益を基に算出します。
  • 差がつくポイント:売上高コスト比率を考慮した利益計算と、年間継続率を3年間掛け合わせる点を正確に理解することが重要です。

正解の理由

LTV(Life Time Value、生涯顧客価値)は、顧客がもたらす利益の総和を表します。
  • 年間売上高は200万円。
  • 売上高コスト比率50%なので、利益は200万円×(1-0.5)=100万円。
  • 年間継続率は40%(0.4)なので、3年間の継続率は 1+0.4+0.42=1+0.4+0.16=1.561 + 0.4 + 0.4^2 = 1 + 0.4 + 0.16 = 1.56
  • よって、LTVは 100万円×1.56=156万円100万円 × 1.56 = 156万円
    この計算から、選択肢の中でイ: 156が正解となります。

よくある誤解

売上高をそのままLTVと勘違いし、コストを差し引かないケースが多いです。
また、継続率を単年度で止めてしまい、複数年の累積を計算しない誤りもよく見られます。

解法ステップ

  1. 年間売上高を確認する(200万円)。
  2. 売上高コスト比率から利益率を計算する(1 - 0.5 = 0.5)。
  3. 利益額を算出する(200万円 × 0.5 = 100万円)。
  4. 年間継続率を確認する(40% = 0.4)。
  5. 3年間の継続率の合計を計算する(1+0.4+0.42=1.561 + 0.4 + 0.4^2 = 1.56)。
  6. 利益額に継続率の合計を掛けてLTVを求める(100万円 × 1.56 = 156万円)。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 62.4万円
    → 継続率の累積計算を誤り、単年度利益×継続率のみで計算した可能性があります。
  • イ: 156万円
    → 正解。利益計算と継続率の累積を正しく行っています。
  • ウ: 210万円
    → 売上高200万円に継続率1.05倍など誤った掛け算をしている可能性があります。
  • エ: 312万円
    → 継続率を3年間すべて100%と誤認し、利益を3倍している誤りです。

補足コラム

LTVはマーケティングや顧客管理で重要な指標で、顧客の価値を正確に把握することで効率的な投資判断が可能になります。割引率を考慮しない場合は単純な累積計算で済みますが、実務では割引率を用いて現在価値を計算することも多いです。

FAQ

Q: 売上高コスト比率が50%とはどういう意味ですか?
A: 売上高のうち50%がコストであることを示し、利益は売上高の50%となります。
Q: なぜ割引率を考慮しないのですか?
A: 問題文で割引率を考慮しなくてよいと明示されているため、単純な累積計算で求めます。
Q: 継続率が40%の場合、なぜ3年間の合計は1.56になるのですか?
A: 1年目は必ず顧客がいるので1、2年目は0.4、3年目は0.4の2乗(0.16)を足し合わせたためです。

関連キーワード: LTV, 顧客生涯価値, 継続率, 売上高コスト比率, 利益計算, 顧客管理, マーケティング指標
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ