ITストラテジスト試験 2009年 午前220


ある会社の生産計画部では、毎月25日に次の手続で翌月の計画生産量を決定している。8月分の計画生産量を求める式はどれか。
〔手統〕 (1)当月末の予想在庫量を、前月末の実在庫量と当月の計画生産量と予想販売量から求める。 (2)当月末の予想前月末の実在庫量と当月の計画生産量と予想販売量から在庫量と、翌月分の予想販売量から、翌月末の予想在庫量が翌々月から3か月間の予想販売量と等しくなるように翌月の計画生産量を決定する
問題画像
S9+510+S11-I7
S8+S9+S10+S11-I7(正解)
S8+S9+S10+S11-I8
I6+P7-S7+S8

解説

ある会社の生産計画部の計画生産量決定式【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:8月分の計画生産量は「翌月末の予想在庫量が翌々月から3か月間の予想販売量と等しくなる」条件から求めるため、選択肢イが正解です。
  • 根拠:翌月(8月)末の予想在庫量は7月末予想在庫量と8月計画生産量、8月予想販売量の関係式で表され、これを基に翌々月以降の販売量合計と等しくなるよう計画生産量を決定します。
  • 差がつくポイント:在庫量の計算において「前月末の実在庫量」か「予想在庫量」かを正確に区別し、翌月末の在庫量を翌々月以降の販売量合計と結びつける理解が重要です。

正解の理由

選択肢イは、8月末の予想在庫量を「7月末予想在庫量(I7)+8月計画生産量(P8)−8月予想販売量(S8)」と表し、これが翌々月(9月)から3か月間の予想販売量(S9+S10+S11)と等しくなる条件を示しています。
この式は問題文の(2)の条件に完全に合致し、8月分の計画生産量を求める正しい式です。

よくある誤解

「前月末の実在庫量」と「前月末の予想在庫量」を混同しやすい点に注意が必要です。
また、翌月末の在庫量を翌月の販売量と比較する誤りも多いです。

解法ステップ

  1. 問題文の(1)で「当月末の予想在庫量」を前月末実在庫量、当月計画生産量、予想販売量から求めることを確認。
  2. 問題文の(2)で「翌月末の予想在庫量」が翌々月から3か月間の予想販売量と等しくなる条件を理解。
  3. 8月分計画生産量(P8)を含む8月末予想在庫量の式を立てる。
  4. 8月末予想在庫量=7月末予想在庫量+8月計画生産量−8月予想販売量と表す。
  5. これが9月〜11月の販売量合計と等しい条件を式にする。
  6. 選択肢の中からこの条件を満たす式を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: I6+P7−S7+S8
    → 6月末実在庫量と7月計画生産量を使い、8月の計画生産量を求める式として不適切。8月分計画生産量を求める問題に合わない。
  • イ: S8+S9+S10+S11−I7
    → 正解。7月末予想在庫量を基に8月計画生産量を決定し、翌々月以降の販売量合計と等しくなる条件を満たす。
  • ウ: S8+S9+S10+S11−I8
    → 8月末予想在庫量を引いているが、8月末予想在庫量は計算対象であり、未知の値を使うのは誤り。
  • エ: S9+510+S11−I7
    → 「510」は誤記か不適切な値。8月分計画生産量の計算に関係ない数字が混入しているため誤り。

補足コラム

生産計画における在庫管理は「安全在庫」や「リードタイム」を考慮しながら、販売予測に基づいて計画生産量を決定します。
今回の問題は「翌月末の在庫量が翌々月以降の販売量合計と等しくなる」という条件設定で、在庫切れを防ぎつつ過剰在庫も抑制する典型的な計画手法の一例です。

FAQ

Q: なぜ「前月末の実在庫量」ではなく「前月末の予想在庫量」を使うのですか?
A: 計画は未来の予測に基づくため、実在庫量ではなく予想在庫量を基準に計算し、計画の整合性を保ちます。
Q: 翌月末の在庫量が翌々月からの販売量合計と等しいとはどういう意味ですか?
A: 翌月末の在庫が翌々月以降の需要を満たすための基準であり、適切な生産量を確保するための目安です。

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