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ITストラテジスト試験 2009年 午前2 問21
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方を説明したものはどれか。
ウ:全体の2割の優良顧客が全体の売上の8割を占め、全商品の上位2割が8割の売上を占める。
エ:利用者が増えるほど、個々の利用者の便益が増加し、その結果、ますます利用者が増えることで寡占化が進む。
ア:売れ筋商品に絞り込んで販売するのではなく、多品種少量販売によって大きな売上や利益を得ることができる。(正解)
イ:業界標準を確立した製品・サービスは生産規模が2倍になると生産性が更に向上し、収益が2倍以上になる。
解説
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ロングテールとは、多品種少量販売で売れ筋以外の商品も含めて大きな売上を狙う戦略です。
- 根拠:インターネット販売などで在庫コストが低減し、ニッチ商品も販売可能になるため、多様な商品群が利益を生み出します。
- 差がつくポイント:売れ筋商品のみを重視する従来の考え方と異なり、売れ筋以外の商品群の累積売上に注目する点が理解できているかが重要です。
正解の理由
選択肢アは「売れ筋商品に絞らず、多品種少量販売で大きな売上や利益を得る」というロングテールの本質を正確に表現しています。ロングテール理論は、インターネットの普及により在庫や流通コストが下がり、ニッチ市場の商品も販売可能になったことから、多数の少量販売商品が合計で大きな売上を生むことを示しています。これがe-ビジネスでの新たな販売戦略として注目されています。
よくある誤解
ロングテールは「売れ筋商品だけに集中する」戦略ではなく、むしろ売れ筋以外の多様な商品群の価値を活かす考え方です。売上の8割が2割の商品であるというパレートの法則とは異なる視点です。
解法ステップ
- ロングテールの基本概念を理解する(多品種少量販売で利益を得る戦略)。
- 選択肢の内容がロングテールの特徴に合致しているか確認する。
- 売れ筋商品に絞る戦略やパレートの法則、ネットワーク効果など他の概念と区別する。
- 最もロングテールの説明に適した選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。ロングテールの本質を正しく説明している。
- イ: 生産規模の拡大による生産性向上の話で、ロングテールとは無関係。
- ウ: パレートの法則(80:20の法則)を説明しており、ロングテールの考え方とは異なる。
- エ: ネットワーク効果や利用者増加による寡占化の説明で、ロングテールの内容ではない。
補足コラム
ロングテール理論はクリス・アンダーソンが提唱し、AmazonやNetflixなどのネット企業が成功例として知られています。従来の店舗では在庫スペースの制約から売れ筋商品に集中せざるを得ませんでしたが、オンラインでは膨大な商品を扱えるため、ニッチ市場の需要も取り込めるのが特徴です。
FAQ
Q: ロングテール戦略はどのような業種で効果的ですか?
A: 主にeコマースやデジタルコンテンツ配信など、在庫や流通コストが低い業種で効果を発揮します。
A: 主にeコマースやデジタルコンテンツ配信など、在庫や流通コストが低い業種で効果を発揮します。
Q: パレートの法則とロングテールの違いは何ですか?
A: パレートの法則は売上の大部分が少数の商品や顧客に集中することを示しますが、ロングテールは多数のニッチ商品が累積して大きな売上を生むことを強調します。
A: パレートの法則は売上の大部分が少数の商品や顧客に集中することを示しますが、ロングテールは多数のニッチ商品が累積して大きな売上を生むことを強調します。
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