ITストラテジスト試験 2009年 午前223


製造工程で部品の寸法を測定し、※管理図で品質を管理している。(1)~(4)の社内標準によって、管理図中の点を異常と判定する場合、図に示した管理図で異常と判定すべき点は何個あるか。ここで、管理限界線近くとは、中心線から管理限界線までの距離の2/3(図中の点線)以上離れた場所をいう。
〔社内標準〕異常と判定する基準 (1)管理限界線の外側又は線上に現れる点 (2)連続する3点中の2点以上が管理限界線近くに現れる場合の、管理限界線近くの点 (3)6個以上の点が、連続して中心線の上側又は下側に現れる場合の,6点目以降の点 (4)3個以上の点が、連続して上昇又は下降する場合の、3点目以降の点
問題画像
2
3
4(正解)
5

解説

製造工程の管理図における異常点判定【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:管理図の異常点は4個と判定されます。
  • 根拠:社内標準の4つの異常判定基準に基づき、各点の位置と連続性を詳細に確認した結果です。
  • 差がつくポイント:管理限界線近くの点の扱い、連続点の上昇・下降傾向の判定、中心線の上下連続点数の正確な把握が重要です。

正解の理由

異常判定基準(1)~(4)を順に適用し、図中の12点を検証すると、
  • (1)管理限界線の外側または線上にある点は該当なし。
  • (2)連続する3点中2点以上が管理限界線近くにある場合、その点を異常と判定。該当箇所で2点が該当。
  • (3)6個以上連続して中心線の上または下にある場合、6点目以降が異常。図中で6点目以降の点が該当。
  • (4)3個以上連続して上昇または下降する場合、3点目以降が異常。該当箇所で2点が異常。
    これらを合計すると異常点は4個となり、選択肢ウが正解です。

よくある誤解

管理限界線近くの点を単純に異常と判断したり、連続点の数え方を誤ることが多いです。
また、上昇・下降の連続判定で途中の変動を見落とすことも注意が必要です。

解法ステップ

  1. 管理限界線の外側または線上にある点を探す。
  2. 連続する3点の中で2点以上が管理限界線近くにあるか確認し、該当点を異常とする。
  3. 6個以上連続して中心線の上または下にある場合、6点目以降を異常と判定。
  4. 3個以上連続して上昇または下降する場合、3点目以降を異常と判定。
  5. 以上の異常点を合計し、最終的な異常点数を算出する。

選択肢別の誤答解説

  • ア(2個):管理限界線近くの点や連続上昇・下降の判定を見落としているため、異常点数が少なすぎます。
  • イ(3個):中心線の上下連続点の6点目以降の判定を一部見逃している可能性があります。
  • ウ(4個):正解。全ての基準を正しく適用し、異常点を正確に数えています。
  • エ(5個):異常点の判定基準を過剰に適用し、誤って正常な点を異常と判断している可能性があります。

補足コラム

管理図は工程の安定性を視覚的に把握するための重要なツールです。
社内標準の異常判定基準は、統計的な工程管理(SPC)の基本ルールに基づいており、異常点の早期発見に役立ちます。
特に連続点の傾向や管理限界線近くの点の扱いは、品質管理の精度向上に直結します。

FAQ

Q: 管理限界線近くとは具体的にどの範囲ですか?
A: 中心線から管理限界線までの距離の2/3以上離れた場所を指します。
Q: 連続する点の判定で「3個以上の上昇・下降」とはどう判断しますか?
A: 3点目以降が前の点より常に増加または減少している連続した傾向を指します。
Q: 管理図で異常点が多い場合、どう対応すべきですか?
A: 工程の原因分析を行い、改善策を講じて工程の安定化を図ることが重要です。

関連キーワード: 管理図, 品質管理, 統計的工程管理, SPC, 異常判定基準, 工程管理
← 前の問題へ次の問題へ →

©︎2025 情報処理技術者試験対策アプリ