ITストラテジスト試験 2009年 午前224


EVA(経済付加価値)の算出方法を説明したものはどれか。
効果の現在価値と投資額の差がゼロになる資本コストを求める。
投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかを求める。
投資額を回収するのに必要な期間(年数)を求める。
利益から資本費用(投資額×資本コスト)を引いて金額を求める。(正解)

解説

EVA(経済付加価値)の算出方法とは【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:EVAは「利益から資本費用を差し引いた経済的利益」を示す指標です。
  • 根拠:資本費用は投資額に資本コスト率を掛けたもので、これを利益から引くことで真の付加価値を算出します。
  • 差がつくポイント:EVAは単なる利益ではなく、資本コストを考慮した経済的利益である点を理解することが重要です。

正解の理由

選択肢エは「利益から資本費用(投資額×資本コスト)を引いて金額を求める」とあり、これはEVAの定義そのものです。EVAは企業が投資した資本に対してどれだけの経済的付加価値を生み出したかを示す指標であり、単なる利益ではなく資本コストを差し引いた後の利益を表します。したがって、エが正解です。

よくある誤解

EVAは単なる利益や回収期間ではなく、資本コストを考慮した経済的利益であることを誤解しやすいです。資本コストを無視すると真の企業価値を見誤ります。

解法ステップ

  1. EVAの定義を確認する:「経済付加価値=利益−資本費用」
  2. 資本費用は「投資額×資本コスト率」で計算することを理解する
  3. 選択肢の説明とEVAの定義を照らし合わせる
  4. 利益から資本費用を差し引く説明がある選択肢を選ぶ

選択肢別の誤答解説

  • ア:効果の現在価値と投資額の差がゼロになる資本コストを求める説明は、内部収益率(IRR)や割引率の話でありEVAとは異なります。
  • イ:投資額に対してどれだけ利益を生み出しているかはROI(投資利益率)に近い概念で、EVAの算出方法ではありません。
  • ウ:投資額を回収する期間を求めるのは回収期間法であり、EVAの計算方法とは無関係です。
  • :利益から資本費用を引くことでEVAを算出する正しい説明です。

補足コラム

EVAは企業の真の経済的利益を測る指標として注目されており、経営者の意思決定や投資評価に活用されます。資本コストを考慮することで、単なる会計利益よりも実態に即した評価が可能です。

FAQ

Q: EVAと会計利益の違いは何ですか?
A: 会計利益は単純な収益から費用を引いた額ですが、EVAはそこから資本コストを差し引いた経済的利益を示します。
Q: 資本コストとは何ですか?
A: 資本コストは企業が資金を調達する際の期待収益率で、投資家や債権者が求めるリターンのことです。

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