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ITストラテジスト試験 2010年 午前2 問16
知識創造プロセス (SECIモデル) において、表出化に該当するものはどれか。
ア:顧客への対応の仕方を、業種別にマニュアル化する。(正解)
イ:顧客を訪問し、要望についてのヒアリングを行う。
ウ:製品操作マニュアルと業務マニュアルから、運用マニュアルを作成する。
エ:マニュアルに記載された方法を実践し、スキルを習得する。
解説
知識創造プロセス(SECIモデル)における表出化とは【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:表出化は暗黙知を言語化や文書化し、他者と共有可能な形式に変換するプロセスです。
- 根拠:SECIモデルは知識の変換過程を4つに分類し、表出化は「暗黙知→形式知」の変換を指します。
- 差がつくポイント:具体的な行動が「暗黙知の言語化・文書化」であるかを見極めることが重要です。
正解の理由
選択肢ア「顧客への対応の仕方を、業種別にマニュアル化する。」は、経験やノウハウ(暗黙知)を文章やマニュアル(形式知)に変換しているため、表出化に該当します。
他の選択肢は暗黙知の取得や活用、または形式知の再利用にあたり、表出化の定義とは異なります。
他の選択肢は暗黙知の取得や活用、または形式知の再利用にあたり、表出化の定義とは異なります。
よくある誤解
表出化は単なるマニュアル作成ではなく、暗黙知を形式知に変換する過程です。
暗黙知の収集や実践は表出化ではなく、別のプロセスに分類されます。
暗黙知の収集や実践は表出化ではなく、別のプロセスに分類されます。
解法ステップ
- SECIモデルの4つのプロセス(社会化・表出化・連結化・内面化)を理解する。
- 表出化は「暗黙知→形式知」の変換であることを確認する。
- 選択肢の行動が暗黙知の言語化・文書化かどうかを判断する。
- マニュアル化や文書化の行為があれば表出化と判断する。
- 正解を選択肢アと確定する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 顧客への対応の仕方を、業種別にマニュアル化する。
→ 暗黙知を形式知に変換しており、表出化の典型例です。 - イ: 顧客を訪問し、要望についてのヒアリングを行う。
→ 暗黙知を直接体験や共有する「社会化」に該当します。 - ウ: 製品操作マニュアルと業務マニュアルから、運用マニュアルを作成する。
→ 既存の形式知を組み合わせる「連結化」にあたります。 - エ: マニュアルに記載された方法を実践し、スキルを習得する。
→ 形式知を暗黙知に変換する「内面化」です。
補足コラム
SECIモデルは野中郁次郎氏が提唱した知識創造理論で、知識の「社会化」「表出化」「連結化」「内面化」の4つのプロセスで組織の知識が循環し、創造されると説明します。
表出化は特に、経験や感覚に基づく暗黙知を言語や図表などの形式知に変換し、組織内で共有可能にする重要な段階です。
表出化は特に、経験や感覚に基づく暗黙知を言語や図表などの形式知に変換し、組織内で共有可能にする重要な段階です。
FAQ
Q: 表出化と連結化の違いは何ですか?
A: 表出化は暗黙知を形式知に変換すること、連結化は複数の形式知を組み合わせて新たな形式知を作ることです。
A: 表出化は暗黙知を形式知に変換すること、連結化は複数の形式知を組み合わせて新たな形式知を作ることです。
Q: なぜマニュアル作成が表出化に該当するのですか?
A: マニュアル作成は個人の経験やノウハウ(暗黙知)を文章化し、他者が理解・利用できる形式知に変換する行為だからです。
A: マニュアル作成は個人の経験やノウハウ(暗黙知)を文章化し、他者が理解・利用できる形式知に変換する行為だからです。
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