ITストラテジスト試験 2010年 午前217


TLO (Technology Licensing Organization) 法に基づき、 承認又は認定された事業者の役割として、適切なものはどれか。
企業からの委託研究、又は共同研究を受け入れる窓口として、企業と大学との調整を行う。(正解)
研究者からの応募に基づき、補助金を支給して先進的な研究を発展させる。
大学の研究成果の特許化及び企業への技術移転の支援を行い、産学の仲介役を果たす。
民間企業が保有する休眠特許を発掘し、他企業にライセンスを供与して活用を図る。

解説

TLO(Technology Licensing Organization)法に基づく承認・認定事業者の役割【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:TLOの承認・認定事業者は企業と大学の橋渡し役として、委託研究や共同研究の調整窓口を担います。
  • 根拠:TLO法は大学等の研究成果を産業界に活用するための技術移転促進を目的とし、調整機能が重要視されています。
  • 差がつくポイント:特許化や補助金支給、休眠特許の活用は別の機関や制度の役割であり、TLOの基本的な役割と混同しないことが重要です。

正解の理由

選択肢アは、TLOが企業からの委託研究や共同研究を受け入れる窓口として、企業と大学の調整を行う役割を正確に表しています。TLOは大学の技術移転を促進するため、研究者と企業の間の調整や契約交渉を支援し、産学連携を円滑に進めることが求められます。これがTLO法に基づく承認・認定事業者の主要な役割です。

よくある誤解

TLOは特許の取得や補助金の支給を直接行う機関ではありません。また、休眠特許の発掘やライセンス供与はTLOの役割外であり、混同しやすいポイントです。

解法ステップ

  1. 問題文の「承認又は認定された事業者の役割」に注目する。
  2. TLOの基本的な機能が「大学と企業の技術移転の仲介」であることを思い出す。
  3. 選択肢の内容を「調整窓口」「補助金支給」「特許化支援」「休眠特許活用」で分類する。
  4. TLOの役割に合致するのは「企業と大学の調整窓口」であることを確認。
  5. 選択肢アを正解と判断する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 企業からの委託研究、又は共同研究を受け入れる窓口として、企業と大学との調整を行う。
    → TLOの本質的な役割を正しく表現しており正解。
  • イ: 研究者からの応募に基づき、補助金を支給して先進的な研究を発展させる。
    → 補助金支給は政府や研究助成機関の役割であり、TLOの役割ではない。
  • ウ: 大学の研究成果の特許化及び企業への技術移転の支援を行い、産学の仲介役を果たす。
    → 技術移転の仲介は正しいが、特許化は大学や特許事務所が主に担当し、TLOは調整窓口が中心。
  • エ: 民間企業が保有する休眠特許を発掘し、他企業にライセンスを供与して活用を図る。
    → 休眠特許の活用はTLOの役割外で、別の特許管理会社や企業の業務。

補足コラム

TLOは大学や公的研究機関の技術を産業界に橋渡しする専門組織で、契約交渉や知的財産の管理支援を行います。日本では大学発ベンチャーの支援や技術移転の促進に重要な役割を果たしており、産学連携の推進に欠かせない存在です。

FAQ

Q: TLOは特許の取得も行いますか?
A: いいえ、特許の取得は大学や研究機関の知財部門や特許事務所が担当し、TLOは技術移転の調整や契約支援が主な役割です。
Q: TLOは補助金を支給する機関ですか?
A: いいえ、補助金の支給は政府や研究助成団体の役割であり、TLOは資金支援を行いません。

関連キーワード: 技術移転, 産学連携, 知的財産管理, 共同研究, 技術ライセンス
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