ITストラテジスト試験 2010年 午前222


システム運用中に発生している各種トラブルの減少を図るための対策を立案している。トラブルを誘発する要因ごとに改善可能な課題がある。同じ時間やコストを掛けるなら、要因を層別し、より重要なものから手掛けていくことにしたい。 この場合の分析に適している管理図法はどれか。
特性要因図
パレート図(正解)
ヒストグラム
レーダチャート

解説

システム運用中のトラブル要因分析に適した管理図法【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:トラブル要因を重要度順に層別し、優先的に対策を講じるにはパレート図が最適です。
  • 根拠:パレート図は要因の発生頻度や影響度を大きい順に並べ、重要な要因を視覚的に特定できます。
  • 差がつくポイント:単なる要因列挙ではなく、改善効果の高い要因から着手するために「80:20の法則」を活用する点が評価されます。

正解の理由

パレート図は、複数のトラブル要因を発生頻度や影響度の大きい順に棒グラフで示し、累積比率を折れ線グラフで表現します。これにより、どの要因が全体の問題の大部分を占めているかが一目で分かり、限られた時間やコストを効果的に配分できます。問題文の「要因を層別し、より重要なものから手掛ける」という目的に最も合致するため、イ: パレート図が正解です。

よくある誤解

特性要因図は原因の分類に優れますが、要因の重要度や優先順位を示すものではありません。ヒストグラムはデータの分布を示すだけで、要因の優先順位付けには不向きです。

解法ステップ

  1. 問題文から「要因を層別し、重要なものから対策を行う」ことを確認する。
  2. 各選択肢の特徴を整理する(特性要因図=原因分類、パレート図=重要度順表示、ヒストグラム=分布、レーダチャート=多変量比較)。
  3. 目的に合致する「重要度順に要因を並べる」管理図法を選ぶ。
  4. パレート図が最も適切であると判断し、を選択する。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 特性要因図
    原因を体系的に分類するのに有効ですが、要因の優先順位付けはできません。
  • イ: パレート図
    要因の発生頻度や影響度を大きい順に示し、重要な要因から対策可能なため正解です。
  • ウ: ヒストグラム
    データの分布状況を把握するのに適しますが、要因の優先順位付けには不向きです。
  • エ: レーダチャート
    複数の評価項目を比較する際に使いますが、トラブル要因の優先順位付けには適しません。

補足コラム

パレート図は「80:20の法則」に基づき、全体の問題の約80%が20%の重要な要因から生じていることを示します。これにより、改善活動の効率化が図れます。特性要因図(フィッシュボーン図)は問題の原因を洗い出す初期段階で有効ですが、改善の優先順位付けにはパレート図が不可欠です。

FAQ

Q: パレート図と特性要因図はどのように使い分けるべきですか?
A: 特性要因図は原因の洗い出しに使い、パレート図はその原因の中で優先的に対策すべき重要な要因を特定するために使います。
Q: ヒストグラムはどんな場面で役立ちますか?
A: ヒストグラムはデータのばらつきや分布を視覚化し、品質管理や工程の安定性評価に役立ちます。

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