ITストラテジスト試験 2010年 午前223


ある外注部品が不良品である確率は0.1であり、受入れ後の費用は, 良品には掛からないが, 不良品には1個につき2,000円掛かる。そこで、検査機を導入して全部品を受入検査することにした。部品 1 個の検査費が40円,検査機が不良品を不良品と判定する確率が0.9とするとき、この受入検査で、部品1個当たりの費用は何円減ると期待できるか。ここで、検査機は良品をすべて良品と判定するものとする。また、検査機で不良品と判定されたものは受け入れない (2,000円は掛からない)。
140(正解)
144
176
180

解説

ある外注部品の受入検査による費用削減効果【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:検査導入により部品1個あたりの期待費用は140円減少する。
  • 根拠:不良品率0.1、不良品処理費2,000円、検査費40円、不良品検出率0.9の条件から期待値を計算。
  • 差がつくポイント:不良品の検出率と検査費用を正確に考慮し、期待値計算を丁寧に行うことが重要。

正解の理由

不良品の発生確率は0.1で、不良品1個あたりの費用は2,000円です。検査機の導入により、不良品の90%を検出して受け入れを防げるため、不良品による費用は大幅に減少します。一方、検査費用は全品にかかるため、これを差し引いても総費用は減少します。計算すると、1個あたりの費用削減期待値は140円となり、選択肢の中でが正解です。

よくある誤解

検査費用を考慮せずに不良品削減分だけを費用削減とみなす誤りや、不良品検出率を100%と誤解するケースが多いです。

解法ステップ

  1. 不良品の発生確率を p=0.1p=0.1 とする。
  2. 不良品1個あたりの費用は C=2000C=2000 円。
  3. 検査費用は1個あたり I=40I=40 円。
  4. 検査機の不良品検出率は d=0.9d=0.9
  5. 検査なしの期待費用は p×C=0.1×2000=200p \times C = 0.1 \times 2000 = 200 円。
  6. 検査ありの期待費用は、検査費用 II と検査漏れ不良品の費用 p×(1d)×Cp \times (1-d) \times C の和。
    40+0.1×(10.9)×2000=40+0.1×0.1×2000=40+20=6040 + 0.1 \times (1 - 0.9) \times 2000 = 40 + 0.1 \times 0.1 \times 2000 = 40 + 20 = 60
  7. 費用削減期待値は 20060=140200 - 60 = 140 円。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 正解。計算通り140円の費用削減が期待できる。
  • イ: 144円は計算ミス。検査漏れ率や検査費用の計算を誤っている可能性がある。
  • ウ: 176円は不良品検出率を100%と誤解し、検査費用を正しく差し引いていない。
  • エ: 180円も同様に検査費用を考慮せず過大評価している。

補足コラム

この問題は期待値計算の典型例であり、品質管理やコスト管理の基礎知識として重要です。検査導入の効果を正しく評価するためには、不良品率、検査精度、検査コストのバランスを理解することが不可欠です。

FAQ

Q: なぜ良品はすべて良品と判定されると仮定するのですか?
A: 問題文の条件で良品の誤判定がないため、計算を簡略化し、誤判定による追加コストを考慮しません。
Q: 検査漏れの不良品はどう扱いますか?
A: 検査漏れの不良品は受け入れられ、2,000円の費用が発生するため、期待費用に含めます。

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