ITストラテジスト試験 2011年 午前202


エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか。
財務、顧客・内部ビジネスプロセス、学習と成長の四つの視点から評価指標を設定し、IT投資による組織全体への効果を的確に管理する。
情報システムの開発・保守とその組織運営の現状を調査し ソフトウェアプロセスの成熟度を評価して、プロセス改善の方向を決定する。
既存の業務と情報システムの全体像及び将来の目標を明示することによって、IT ガバナンスを強化し、経営の視点からIT投資効果を高める。(正解)
今まで開発してきた業務システムをビジネス価値とソリューション品質の2軸で分析し、業務システムごとの改善の方向を決定する。

解説

エンタープライズアーキテクチャを説明したものはどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:エンタープライズアーキテクチャ(EA)は、企業全体の業務と情報システムの全体像を示し、ITガバナンス強化と経営視点でのIT投資効果向上を目的とします。
  • 根拠:EAはビジネス戦略とIT戦略の整合性を図り、将来の目標を明確にするフレームワークであるため、経営層の意思決定支援に役立ちます。
  • 差がつくポイント:単なるシステム分析や評価指標設定ではなく、企業全体の構造と将来像を包括的に示す点がEAの特徴です。

正解の理由

選択肢イは、エンタープライズアーキテクチャの本質である「既存の業務と情報システムの全体像及び将来の目標を明示し、ITガバナンスを強化し経営視点からIT投資効果を高める」という説明が的確です。EAは企業のビジネス戦略とIT戦略を統合し、経営層がIT投資の効果を最大化できるように設計されているため、この説明が最も正しいです。

よくある誤解

エンタープライズアーキテクチャは単なるシステムの改善や評価指標の設定ではなく、企業全体の戦略的なIT活用を支援する枠組みです。部分的なシステム分析と混同しやすい点に注意が必要です。

解法ステップ

  1. 問題文の「エンタープライズアーキテクチャ」の定義を思い出す。
  2. 選択肢の内容が「企業全体の業務とITの全体像を示すか」を確認する。
  3. ITガバナンスや経営視点のIT投資効果に言及しているかをチェック。
  4. 部分的なシステム分析や評価指標設定に終始している選択肢を除外。
  5. 最も包括的かつ戦略的な説明をしている選択肢を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア:業務システムの改善方向を決定する分析はシステム評価の一部であり、EAの全体像提示とは異なります。
  • :正解。企業全体の業務と情報システムの全体像を示し、ITガバナンス強化と経営視点でのIT投資効果向上を説明。
  • ウ:バランスト・スコアカードの説明であり、EAの定義とは異なります。
  • エ:ソフトウェアプロセスの成熟度評価(CMMIなど)に関する説明で、EAとは別の概念です。

補足コラム

エンタープライズアーキテクチャは、TOGAFやFEAFなどのフレームワークで体系化されています。これらは企業のビジネス戦略とIT戦略を整合させるための手法であり、IT投資の最適化やリスク管理に役立ちます。経営層とIT部門の橋渡し役として重要な役割を果たします。

FAQ

Q: エンタープライズアーキテクチャはどのような効果をもたらしますか?
A: 企業全体のIT資産を最適化し、IT投資の効果を最大化し、経営とITの整合性を高めます。
Q: バランスト・スコアカードとエンタープライズアーキテクチャの違いは何ですか?
A: バランスト・スコアカードは業績評価の手法で、EAは企業全体のIT戦略と業務の整合性を図る枠組みです。

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