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ITストラテジスト試験 2011年 午前2 問06
システムの機能要件を定義する上で、前提となる要件定義作業はどれか。
ア:対象業務の業務モデルから業務機能を支援するシステム化機能を整理し、その実現のために必要なシステム方式を策定する。
イ:対象業務の具体的な業務上の問題点を分析し、解決方向を明確化するとともに、システムを用いて実現すべき課題を定義する。
ウ:利害関係者からのニーズを整理し、新しい業務の在り方や運用をまとめた上で、業務上実現すべき要件を明らかにする。(正解)
エ:利害関係者要件のシステム要求が技術的に実現可能であるかを検証し、システム設計が可能な技術要件に変換する。
解説
システムの機能要件を定義する上で、前提となる要件定義作業はどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:システムの機能要件を定義する前提として、利害関係者のニーズを整理し業務上の要件を明確化する作業が必要です。
- 根拠:機能要件は業務要件を基に具体化されるため、まず業務要件を正確に把握しなければなりません。
- 差がつくポイント:利害関係者のニーズを整理し、業務の在り方や運用をまとめる「業務要件定義」と、技術的な実現可能性検証やシステム設計は区別することが重要です。
正解の理由
選択肢ウは「利害関係者からのニーズを整理し、新しい業務の在り方や運用をまとめた上で、業務上実現すべき要件を明らかにする」と述べています。これはシステムの機能要件を定義するための前提となる「業務要件定義」に該当し、システム化の基盤となる業務の本質的な要件を明確にする作業です。機能要件はこの業務要件を基に具体化されるため、最初に行うべき作業として正しいです。
よくある誤解
システム方式の策定や技術的な実現可能性の検証は、機能要件定義の後段階で行う作業です。これらを前提作業と混同しやすい点に注意が必要です。
解法ステップ
- 問題文の「前提となる要件定義作業」に注目する。
- システムの機能要件は何を基に定義されるかを考える。
- 業務のニーズや運用を整理し、業務要件を明確にする作業が前提であることを理解する。
- 選択肢を比較し、業務要件定義に該当するものを選ぶ。
- 技術的検証やシステム方式策定は後段階であるため除外する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 業務モデルからシステム化機能を整理しシステム方式を策定するのは、機能要件定義の後の段階であり前提作業ではありません。
- イ: 業務上の問題点分析と課題定義は重要ですが、利害関係者のニーズ整理や業務要件の明確化に比べると範囲が狭く、前提作業としては不十分です。
- ウ: 利害関係者のニーズ整理と業務要件の明確化は、機能要件定義の前提となる基本的な要件定義作業であり正解です。
- エ: 技術的実現可能性の検証や技術要件への変換は、機能要件定義後の設計段階の作業であり前提作業ではありません。
補足コラム
要件定義は大きく「業務要件定義」と「システム要件定義」に分かれます。業務要件定義では業務の目的や運用ルール、利害関係者のニーズを整理し、システム要件定義ではそれをシステム化するための具体的な機能や性能を決めます。前者がしっかりできていないと後者の設計が不十分になるため、業務要件定義は非常に重要なフェーズです。
FAQ
Q: 業務要件定義とシステム要件定義の違いは何ですか?
A: 業務要件定義は業務の目的や運用ルールを整理し、システム要件定義はそれを実現するための具体的なシステム機能や性能を決める作業です。
A: 業務要件定義は業務の目的や運用ルールを整理し、システム要件定義はそれを実現するための具体的なシステム機能や性能を決める作業です。
Q: 技術的実現可能性の検証はいつ行うべきですか?
A: システム要件定義や設計段階で行い、業務要件定義の後に実施します。
A: システム要件定義や設計段階で行い、業務要件定義の後に実施します。
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