ITストラテジスト試験 2011年 午前207


プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)において、投資用の資金源と位置付けられる事業はどれか。
市場成長率が高く、相対的市場占有率が高い事業
市場成長率が高く、相対的市場占有率が低い事業
市場成長率が低く、相対的市場占有率が低い事業
市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業

解説

プロダクトポートフォリオマネジメント(PPM)において、投資用の資金源と位置付けられる事業はどれか【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:PPMの「金のなる木(Cash Cow)」は市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業であり、投資用の資金源とされます。
  • 根拠:市場成長率が低いため成長投資は少なくて済み、相対的市場占有率が高いため安定したキャッシュフローを生み出すからです。
  • 差がつくポイント:市場成長率と市場占有率の組み合わせを正確に理解し、各象限の役割を区別できることが重要です。

正解の理由

PPMは市場成長率と相対的市場占有率の2軸で事業を4つに分類します。
  • 「金のなる木(Cash Cow)」は市場成長率が低い成熟市場で、相対的市場占有率が高い事業を指します。
  • この事業は大きな投資を必要とせず、安定した利益とキャッシュを生み出すため、他の事業への投資資金源となります。
  • よって「ウ: 市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業」が正解です。

よくある誤解

市場成長率が高い事業は投資用資金源と誤解されがちですが、実際は多くの投資を必要とする「問題児(Question Mark)」や「花形(Star)」です。

解法ステップ

  1. PPMの2軸(市場成長率・相対的市場占有率)を理解する。
  2. 4つの象限(花形、問題児、金のなる木、負け犬)の特徴を確認する。
  3. 投資用資金源はどの象限かを考える。
  4. 選択肢の条件と照らし合わせて正解を選ぶ。

選択肢別の誤答解説

  • ア: 市場成長率が高く、相対的市場占有率が高い事業
    →「花形(Star)」で成長投資が必要。資金源ではなく資金の使い手。
  • イ: 市場成長率が高く、相対的市場占有率が低い事業
    →「問題児(Question Mark)」で投資判断が難しく、資金を多く消費する。
  • ウ: 市場成長率が低く、相対的市場占有率が高い事業
    →「金のなる木(Cash Cow)」で安定したキャッシュを生み出し、投資用資金源となる。
  • エ: 市場成長率が低く、相対的市場占有率が低い事業
    →「負け犬(Dog)」で成長も利益も期待できず、資金源にならない。

補足コラム

PPMはボストン・コンサルティング・グループ(BCG)が提唱した経営戦略ツールで、事業ポートフォリオの資源配分を最適化するために使われます。各象限の事業の役割を理解することで、経営資源の効率的な配分が可能になります。

FAQ

Q: なぜ「花形(Star)」は投資用資金源にならないのですか?
A: 花形は市場成長率が高いため、成長維持のために多額の投資が必要で、資金を消費する側だからです。
Q: 「負け犬(Dog)」はどのように扱うべきですか?
A: 成長も利益も見込めないため、撤退や縮小の対象となることが多いです。

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