ITストラテジスト試験 2011年 午前214


ある顧客層の今後3年間を通しての、年間顧客維持率が40%、1人当たり年平均売上高が200万円、売上高コスト比率が50%と想定される場合、今後3年間のLTV(顧客1人当たりの生涯価値)は何万円か。ここで、割引率は考慮しないものとする。
62.4
156(正解)
210
312

解説

顧客のLTV計算問題【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:今後3年間のLTVは156万円となります。
  • 根拠:年間顧客維持率40%、年平均売上200万円、売上高コスト比率50%を基に計算。
  • 差がつくポイント:LTV計算で「利益ベース」「継続率の累積」「割引率無視」の理解が重要です。

正解の理由

LTV(顧客生涯価値)は、顧客がもたらす利益の総和です。
1年目の利益は200万円×50%(利益率)=100万円。
2年目以降は顧客維持率40%を掛けて継続利益を計算します。
3年間の利益合計は、100万円×(1 + 0.4 + 0.4²) = 100万円×1.56 = 156万円。
したがって、正解はの156万円です。

よくある誤解

売上高をそのままLTVと勘違いし、利益率を考慮しない誤りが多いです。
また、顧客維持率を単年で止めてしまい、累積計算を忘れるケースもあります。

解法ステップ

  1. 年間利益を計算する(売上高 × 利益率)
  2. 各年の顧客維持率を累積で計算する(1年目は100%、2年目は40%、3年目は40%²)
  3. 各年の利益に維持率を掛けて合計する
  4. 割引率がないため、そのまま合計値をLTVとする

選択肢別の誤答解説

  • ア: 62.4万円
    利益率や継続率の累積計算が不足し、利益を過小評価しています。
  • イ: 156万円
    正解。利益率と継続率の累積を正しく計算しています。
  • ウ: 210万円
    利益率50%を考慮せず、売上高の合計を計算した誤りです。
  • エ: 312万円
    継続率を100%と誤認し、3年間の売上高の利益率を単純に3倍した結果です。

補足コラム

LTVはマーケティングや経営戦略で重要な指標です。
割引率を考慮すると、将来の利益の現在価値を計算でき、より精緻な評価が可能です。
また、顧客維持率は業種や顧客層によって大きく異なるため、正確なデータ収集が重要です。

FAQ

Q: 割引率を考慮しない場合のLTV計算の注意点は?
A: 将来の利益を単純合計するため、時間価値を無視し、実際の価値より過大評価する可能性があります。
Q: 顧客維持率が毎年異なる場合はどう計算しますか?
A: 各年の維持率を個別に掛け合わせて累積維持率を求め、その年の利益に乗じて合計します。

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