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ITストラテジスト試験 2011年 午前2 問20
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方を説明したものはどれか。
イ:業界標準を確立した製品・サービスは生産規模が2倍になると生産性が更に向上し、収益が2倍以上になる。
ウ:全体の2割の優良顧客が全体の売上の8割を占め、全商品の上位2割が8割の売上を占める。
ア:売れ筋商品に絞り込んで販売するのではなく、多品種少量販売によって大きな売上や利益を得ることができる。(正解)
エ:利用者が増えるほど、個々の利用者の便益が増加し、その結果、ますます利用者が増えることで論占化が進む。
解説
e-ビジネス分野で提唱されているロングテールの考え方【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ロングテールとは、多品種少量販売で売れ筋以外の商品も含めて大きな売上を狙う戦略です。
- 根拠:インターネット販売などで在庫コストを抑え、多様なニーズに応えることで市場全体の売上を伸ばせます。
- 差がつくポイント:売れ筋商品のみを狙う従来型と異なり、ニッチ商品群の累積売上が大きい点を理解することが重要です。
正解の理由
選択肢アは「売れ筋商品に絞らず、多品種少量販売で大きな売上や利益を得る」と述べており、ロングテールの本質を正確に表現しています。ロングテール理論は、売れ筋商品(ヘッド)だけでなく、売れ行きが少ない商品(テール)を多数扱うことで、全体の売上を拡大する考え方です。特にe-ビジネスでは在庫管理や流通コストが低減され、多様な商品を扱いやすいため、この戦略が有効です。
よくある誤解
ロングテールは「売れ筋商品だけを狙う」戦略ではなく、むしろ売れ筋以外の商品群の価値を活かす考え方です。売上の8割が上位2割の商品であるというパレートの法則とは異なる視点です。
解法ステップ
- 問題文の「ロングテールの考え方」に注目する。
- ロングテールの基本概念を思い出す(多品種少量販売で売上拡大)。
- 各選択肢の内容をロングテールの定義と照合する。
- 売れ筋以外の商品群の価値を強調している選択肢を選ぶ。
- 選択肢アが該当するため、正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア: 売れ筋商品に絞らず多品種少量販売で大きな売上を得る点がロングテールの本質で正解。
- イ: 生産規模の拡大による生産性向上の話で、ロングテールとは無関係。
- ウ: パレートの法則(2割の顧客や商品が8割の売上)を説明しており、ロングテールの考え方とは異なる。
- エ: ネットワーク効果(利用者増加による価値増大)を説明しており、ロングテールとは別の概念。
補足コラム
ロングテール理論はクリス・アンダーソンが提唱し、AmazonやNetflixなどのe-ビジネスで成功例が多く見られます。従来の店舗販売では在庫や陳列スペースの制約から売れ筋中心でしたが、オンラインではニッチ商品も扱いやすく、累積的な売上が大きくなるのが特徴です。
FAQ
Q: ロングテール戦略はどのような業種で効果的ですか?
A: 在庫管理コストが低く、多様な商品を扱えるe-コマースやデジタルコンテンツ配信で特に効果的です。
A: 在庫管理コストが低く、多様な商品を扱えるe-コマースやデジタルコンテンツ配信で特に効果的です。
Q: パレートの法則とロングテールの違いは何ですか?
A: パレートの法則は売上の大部分が一部の商品や顧客に偏る現象を示し、ロングテールは売れ筋以外の多数の商品群の累積売上に注目します。
A: パレートの法則は売上の大部分が一部の商品や顧客に偏る現象を示し、ロングテールは売れ筋以外の多数の商品群の累積売上に注目します。
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