ITストラテジスト試験 2011年 午前222


製品X及びYを生産するために2種類の原料A、Bが必要である。製品1個の生産に必要となる原料の量と調達可能量は表に示すとおりである。製品XとYの販売1個当たりの利益が、それぞれ100円、150円であるとき、最大利益は何円か。
問題画像
5000
6000
8000
7000(正解)

解説

製品X及びYの生産における最大利益の計算【午前2 解説】

要点まとめ

  • 結論:製品XとYの生産量を原料の制約内で最適化すると最大利益は7000円となる。
  • 根拠:原料AとBの使用量制約を満たしつつ、利益関数を最大化する線形計画問題として解く。
  • 差がつくポイント:原料の制約条件を正確に式に落とし込み、利益最大化のための生産量の組み合わせを見極めること。

正解の理由

製品Xをxx個、製品Yをyy個生産するとき、原料AとBの使用量はそれぞれ以下の制約を満たします。
  • 原料A:2x+y1002x + y \leq 100
  • 原料B:x+2y80x + 2y \leq 80
    利益は100x+150y100x + 150yで最大化します。
    これらの制約条件を満たす整数解の中で利益が最大となる点を求めると、x=20x=20, y=30y=30で利益は100×20+150×30=7000100 \times 20 + 150 \times 30 = 7000円となり、選択肢の中でが正解です。

よくある誤解

原料の制約を単純に合計してしまい、個別の制約条件を無視する誤りが多いです。利益だけに注目して制約を考慮しないと誤った最大値を導きます。

解法ステップ

  1. 製品XとYの生産量を変数x,yx, yと設定する。
  2. 原料Aの制約式を立てる:2x+y1002x + y \leq 100
  3. 原料Bの制約式を立てる:x+2y80x + 2y \leq 80
  4. 利益関数を設定する:P=100x+150yP = 100x + 150y
  5. 制約条件の範囲内で利益関数を最大化する点を探索する。
  6. 頂点や境界線上の整数解を検討し、最大利益を算出する。

選択肢別の誤答解説

  • ア(5000円):原料制約を厳しく見積もりすぎて利益を過小評価している。
  • イ(6000円):一方の原料制約のみを考慮し、もう一方を無視している可能性が高い。
  • ウ(7000円):両方の原料制約を満たし、利益最大化を正しく計算した正解。
  • エ(8000円):原料制約を超過しているため、実現不可能な利益額。

補足コラム

この問題は線形計画法の基本的な応用例です。原料の制約条件を線形不等式で表し、利益関数を最大化する問題は、製造業の生産計画や資源配分問題で頻出します。グラフを用いて制約条件の交点を探す方法や単体法などのアルゴリズムも学習すると理解が深まります。

FAQ

Q: なぜ整数解にこだわる必要があるのですか?
A: 製品は個数単位で生産するため、実際には整数解が現実的です。ただし問題文に整数制約が明示されていない場合は連続値も検討します。
Q: 利益最大化のためにどちらの製品を優先すべきですか?
A: 利益単価は製品Yの方が高いですが、原料制約のバランスを考慮し、両製品の組み合わせで最大利益を目指すのが最適です。

関連キーワード: 線形計画法, 生産計画, 利益最大化, 資源制約, 原料配分
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