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ITストラテジスト試験 2011年 午前2 問23
ABC(活動基準原価計算)の考え方を説明したものはどれか。
ウ:間接費を活動別に捉え、その費用を、活動から生み出された原価計算対象に割り当てることをいう。(正解)
イ:活動分析によってプロセスの無駄 (非付加価値活動) を明らかにした上で、一定の基準で原価計算対象に配賦することをいう。
ア:ABM(活動基準管理)を行って正確な原価を把握した上で、その原価を原価計算対象に割り当てることをいう。
エ:品質管理活動や部品管理活動の製造間接費、資材や経理部門などの補助部門費を、配基準に基づいて原価計算対象に配劇することをいう。
解説
ABC(活動基準原価計算)の考え方を説明したものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:ABCは間接費を活動単位で把握し、その活動から生じた原価対象に費用を割り当てる手法です。
- 根拠:従来の配賦基準では間接費の正確な配分が困難なため、活動ごとに費用を集計し、より正確な原価計算を実現します。
- 差がつくポイント:活動単位で間接費を管理し、原価対象に割り当てる点がABCの本質であり、単なる配賦や管理とは異なります。
正解の理由
選択肢ウは「間接費を活動別に捉え、その費用を活動から生み出された原価計算対象に割り当てる」と述べており、ABCの基本的な考え方を正確に表現しています。ABCは間接費を活動単位で分析し、活動が消費したリソースに基づいて原価対象に配賦するため、これが最も適切な説明です。
よくある誤解
ABCは単なる原価配賦や管理手法ではなく、活動単位で間接費を詳細に分析し割り当てる点が重要です。ABM(活動基準管理)と混同しやすいですが、ABMはABCの結果を活用した管理手法です。
解法ステップ
- 問題文の「ABC(活動基準原価計算)」の定義を確認する。
- 各選択肢の説明がABCの特徴(間接費の活動別分析と配賦)に合致しているかを検討する。
- 活動単位で間接費を捉え、原価対象に割り当てる説明がある選択肢を探す。
- 選択肢ウがABCの本質を正しく表現しているため、これを正解と判断する。
選択肢別の誤答解説
- ア:ABM(活動基準管理)について述べており、ABCの説明としては不適切です。ABMはABCの結果を活用した管理手法です。
- イ:非付加価値活動の分析はABMの一部であり、ABCの直接的な定義とは異なります。
- ウ:間接費を活動別に捉え、活動から生み出された原価対象に割り当てる点がABCの正しい説明です。
- エ:製造間接費や補助部門費の配賦は従来の配賦方法であり、ABCの活動単位での配賦とは異なります。
補足コラム
ABC(Activity-Based Costing)は1980年代に登場した原価計算手法で、従来の単純な配賦基準では把握しにくい間接費を「活動」という単位で詳細に分析します。これにより、製品やサービスごとの正確な原価把握が可能となり、経営判断の質を高めることができます。ABM(Activity-Based Management)はABCの結果を活用し、無駄の削減や業務改善を目指す管理手法です。
FAQ
Q: ABCと従来の原価計算の違いは何ですか?
A: 従来は間接費を単純な基準で配賦しますが、ABCは活動単位で間接費を分析し、より正確に原価を割り当てます。
A: 従来は間接費を単純な基準で配賦しますが、ABCは活動単位で間接費を分析し、より正確に原価を割り当てます。
Q: ABMとは何ですか?
A: ABMはABCの原価情報を活用し、活動の効率化やコスト削減を図る管理手法です。ABCとは異なり、管理目的に重点を置いています。
A: ABMはABCの原価情報を活用し、活動の効率化やコスト削減を図る管理手法です。ABCとは異なり、管理目的に重点を置いています。
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