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ITストラテジスト試験 2011年 午前2 問24
キャッシュフロー計算書における、営業活動によるキャッシュフローは何万円か。

ア:14
イ:74
ウ:98(正解)
エ:158
解説
キャッシュフロー計算書における営業活動によるキャッシュフローは何万円か【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:営業活動によるキャッシュフローは98万円である。
- 根拠:税引前当期純利益に非資金費用の減価償却費を加え、運転資本の増減と法人税支払額を調整する。
- 差がつくポイント:売上債権や棚卸資産、仕入債務の増減を正しく加減算し、法人税等の支払額を控除する点が重要。
正解の理由
営業活動によるキャッシュフローは、間接法で計算する場合、税引前当期純利益108万円に減価償却費42万円を加算し、運転資本の変動を調整します。売上債権の増加は資金流出なので60万円を減算、棚卸資産の減少は資金流入なので30万円を加算、仕入債務の増加は資金流入なので40万円を加算します。最後に法人税等の支払額62万円を減算します。計算式は以下の通りです。
したがって、正解はウの98万円です。
よくある誤解
売上債権の増加を加算してしまう、または法人税等の支払額を加算する誤りが多いです。これらは資金の流出を意味するため、必ず減算します。
解法ステップ
- 税引前当期純利益を確認する(108万円)。
- 非資金費用である減価償却費を加算する(+42万円)。
- 売上債権の増加は資金流出なので減算する(-60万円)。
- 棚卸資産の減少は資金流入なので加算する(+30万円)。
- 仕入債務の増加は資金流入なので加算する(+40万円)。
- 法人税等の支払額は資金流出なので減算する(-62万円)。
- すべてを合計し、営業活動によるキャッシュフローを算出する。
選択肢別の誤答解説
- ア(14万円):運転資本の調整や法人税支払額の扱いが誤っている可能性が高い。
- イ(74万円):減価償却費の加算や運転資本の一部調整が抜けている。
- ウ(98万円):正解。すべての調整が正しく行われている。
- エ(158万円):法人税等の支払額を加算してしまうなど、資金流出の扱いが逆になっている。
補足コラム
営業活動によるキャッシュフローは企業の本業からの現金収支を示し、財務健全性の評価に重要です。間接法では損益計算書の利益をベースに非現金項目や運転資本の変動を調整します。特に売上債権や仕入債務の増減は資金の流れに大きく影響するため、正確な理解が求められます。
FAQ
Q: なぜ減価償却費は加算するのですか?
A: 減価償却費は費用計上されますが現金支出を伴わないため、利益に戻して現金ベースのキャッシュフローを算出します。
A: 減価償却費は費用計上されますが現金支出を伴わないため、利益に戻して現金ベースのキャッシュフローを算出します。
Q: 売上債権の増加はなぜマイナスになるのですか?
A: 売上債権の増加は売上は計上されているが現金がまだ回収されていない状態で、資金が流出しているとみなされるため減算します。
A: 売上債権の増加は売上は計上されているが現金がまだ回収されていない状態で、資金が流出しているとみなされるため減算します。
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