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ITストラテジスト試験 2012年 午前2 問10
事業戦略のうち、収穫戦略に該当するものはどれか。
イ:事業を分社化し、その会社を売却することによって投下資金の回収を図る。
ウ:新規事業に進出することによって企業を成長させ、利益の増大を図る。
エ:低価格戦略と積極的なプロモーションによって、新製品のマーケットシェアの増大を図る。
ア:売上高をできるだけ維持しながら、製品や事業に掛けるコストを徐々に引き下げていくことによって、短期的なキャッシュフローの増大を図る。(正解)
解説
事業戦略のうち、収穫戦略に該当するものはどれか【午前2 解説】
要点まとめ
- 結論:収穫戦略は売上を維持しつつコストを削減し、短期的なキャッシュフロー増大を目指す戦略です。
- 根拠:成熟期や衰退期の事業で投資を抑え、利益回収を優先するため、コスト引き下げが重要となります。
- 差がつくポイント:収穫戦略は成長や拡大を目指すのではなく、資金回収に特化している点を理解することが鍵です。
正解の理由
アの「売上高をできるだけ維持しながら、製品や事業に掛けるコストを徐々に引き下げていくことによって、短期的なキャッシュフローの増大を図る」は、収穫戦略の典型的な説明です。収穫戦略は、既に市場で一定の地位を築いた製品や事業に対して、新たな投資を控えつつ利益を最大化することを目的としています。売上を維持しながらコストを削減し、資金回収を優先するため、短期的なキャッシュフローの増大を図る点が特徴です。
よくある誤解
収穫戦略は事業の成長や拡大を目指すものではなく、むしろ投資を抑えて利益回収を優先する戦略である点を誤解しやすいです。
解法ステップ
- 収穫戦略の定義を確認する(投資を抑え利益回収を優先する戦略)。
- 各選択肢の内容を「成長志向か」「資金回収志向か」で分類する。
- 成長や売却、新規事業進出は収穫戦略に該当しないと判断する。
- 売上維持+コスト削減で短期キャッシュフロー増大を目指す選択肢を選ぶ。
選択肢別の誤答解説
- ア: 正解。収穫戦略の本質を的確に表現している。
- イ: 事業の売却による資金回収は撤退戦略や売却戦略に近く、収穫戦略とは異なる。
- ウ: 新規事業進出は成長戦略であり、収穫戦略の逆の方向性。
- エ: 低価格戦略や積極的プロモーションは市場拡大や成長を狙う戦略で、収穫戦略ではない。
補足コラム
収穫戦略は、製品ライフサイクルの成熟期や衰退期に適用されることが多いです。新規投資を控え、既存の資産から最大限の利益を引き出すことに注力します。これに対し、成長戦略は市場拡大や新規事業開拓を目指し、積極的な投資を行います。
FAQ
Q: 収穫戦略はどのような事業段階で用いられますか?
A: 主に製品や事業の成熟期や衰退期に用いられ、新規投資を抑えつつ利益回収を優先します。
A: 主に製品や事業の成熟期や衰退期に用いられ、新規投資を抑えつつ利益回収を優先します。
Q: 収穫戦略と撤退戦略の違いは何ですか?
A: 収穫戦略は売上を維持しつつコスト削減で利益を最大化するのに対し、撤退戦略は事業から完全に撤退することを指します。
A: 収穫戦略は売上を維持しつつコスト削減で利益を最大化するのに対し、撤退戦略は事業から完全に撤退することを指します。
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